ミツマタ(三椏)/ジンチョウゲ科、ミツマタ属
 古く中国から渡来した落葉低木。慶長年間にはすでに製紙原料として使われていたという。幹、枝、みな三又になるので、この名がある。中国名は黄瑞香という気高い名がつけられているが、私の鼻が鈍いのか香りは感じられない。
 秋の末に落葉するが、そのときすでに春を待つ下向きの散形の花序をたくさんつけている。教会の庭では2月29日の日曜日に初めのつぼみが開いたので、さっそくデジカメに収めた。この写真がそうである。
 外側は純白の短毛が密生し、内側は鮮やかな黄色、先端が四弁に分かれている筒状の花が丸くかたまって咲いているさまは、春の使いのように愛らしい。しかし、一つひとつの花弁状のものは花弁ではなく萼(がく)である。
 靭皮(じんぴ…あまかわ)の繊維は短く上質の和紙を作れるので、四国などで盛んに栽培される。この和紙は紙魚(しみ)などの虫がつきにくく丈夫なので、日本では紙幣や証券用紙に重用されているので有名。
 ミツマタも漢方薬に入っているので驚く。開花期のつぼみを乾燥し、また、根も使うというが、煎じて飲むと解熱、緑内障、鳥目に効くと書いてある。今は帰化植物となって、暖地では自生しているとのことだが、この辺は寒いので、自生していないし、早春を飾る花としてだけ庭に栽培されているので、薬効があるとは、この辺の宿老からも聞いたことがなかった。

2004.02.29.
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