イチロー選手が引退しました。野球の天才で数々の栄光を手にしてき
たイチローです。しかし、そんな彼も晩年には、いつクビになるかとビ
クビクしていたそうです。引退会見で彼がそう語るのを聞き、感慨深い
ものがありました。クビになる、あるいは頼りにしていた組織や人に見
捨てられる恐ろしさは、人間に実存的不安を与えるのではないでしょう
か。
そう考えてみると、イエス・キリストが「人に捨てられた」(4節)お方
であることには深い意味がありそうです。理不尽にも人に捨てられたキ
リストは、また同時に、最終的にはすべてを正してくださる、いつくし
み深いお方です(3節)。そのキリストのもとに来なさい、そこに救いがあ
るのだから、と聖書は訴えています。
イチローの栄光だけでなく苦しみを知ることに意味があるように、十
字架に至るキリストの苦しみを覚えましょう。とりわけ、栄光の復活を
祝うイースターを前にしたこの時期に。(文責:小幡幸和)
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