聖書のお話「一粒の麦」 
使徒の働き 7章55節〜60節

 6章で現れ、エルサレムに大きな光を放ちながら7章で流星のごとく消えていったステパノ。彼は時とともに忘れられていったこともありえたであろうが、しかし事実は最初の殉教者として名を今にとどめているばかりではなく、最大の伝道者パウロを生み出すもとともなっている。

 俗に贔屓の引き倒しというが、ヤハウエの神を盲目的に信じて従っていたサウロは、そのみ心を悟ることが出来なかったが、ステパノのあの説教はサウロの心に楔を打ち込んだ。また、石打たれながらもひざまづいて祈ったあの言葉はダマスコ途上で復活のイエスにお会いし、その後、盲目の三日間においてサウロの硬い心を劇的に溶かす触媒となった。

 今日の箇所は後年、パウロの得がたい同労者となったルカが詳細に書いたのだが、パウロが如何に繰り返し、繰り返し、ステパノのことを語っていたかの証左である。ステパノが蒔いた一粒の麦がパウロに於いて芽を出し、花を咲かせ、大いなる実を結ばせた。神は地に落ちた一粒の種をも決して無駄になさらないことを知ろう。ヨハネ 12:24

 
2011.10.23(日)


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