『永遠の滅びにいざなうものとの決別』 
新約聖書 使徒の働き 19章8-20節

 イエスさまは、天の真理を地上の物事をお用いになられて語れておられます。その一つに、すばらしい値打ちの真珠を見つけた商人の話がマタイの福音書 13章45節、46節にあります。その商人は家に帰って持ち物全部を売り払い、大喜びでそれを買ったという譬え話です。

 今日は、それを実際に実行した人々のお話です。しかし、それには、神のさまざまなお働きがありました。へブル人への手紙 1章1〜2節をまず、お聞きください。「神はむかし先祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろいろな方法で語られましたが、この終わりのときには、御子によって私たちに語られました。」
 イエス様は神のことばが人となられたお方です。 しかし、罪の人間はそれでも、耳を傾けず、目で見ようとはしませんでした。人はまったく新しいものを見るとき、自分の知識という小さな眼鏡を通して、それを理解しようとし、どのような偉大な事柄でも自分の人生経験という狭い枠にはめて見ようとする傾向があります。今日の聖句の舞台であるエペソでも同じでした。

 そこで、真の神は彼らの目を開くべく、パウロの手を通し、驚くべき奇跡をなされましたので、だれも神の存在を認めずにはいられませんでした。彼らは神のなされた数々のしるしを見て、驚愕し、恐れおののきました。このことを通して、エペソの人々は初めて主イエスのみ名をあがめるようになり、信仰に入る人々が増し加えられていきました。 その中でも、今まで魔術を行っていた者たちが大勢パウロの下にやって来て、自分たちが今までやってきたことを全部さらけ出し、真の神から遠く生きてきたことを告白し、悔い改め、イエスを信じるものと変えられました。彼らは新しい人に変えられますと、それまで、彼らが一番、大切なものとしていた魔術の種本を持ってきて、みんなの前でことごとく焼き捨ててしまいました。
 彼らはそれらの書物がどんなにくだらないものであったかを知りました。もう、持っているのも、見るのもいやになりました。ですから、パウロたちのところに持ってきて、燃やしてしまいました。ルカはその値段を合計してみると、銀五万枚になったと書いています。今のお金で、ざっと五億円でしょうか。それはたいへんなお金でしたが、永遠の滅びにいざなうものとの訣別を考えれば、そのようなものはちりあくたのように思えたことでしょう。
 本を持ってきた者ばかりではなく、見ている群集も燃え盛る炎を見ながら、銀五万枚に代えられぬイエス・キリストによる新しい永遠のいのちのへ道が、今、パウロたちによって示されていることを心に深く刻み込みました。 これはイエス・キリストを信じた者はだれでも、すべての財産を捨てよといっているのではありません。そうではなく、今まで頼っていたものが、何の役にも立たないこと、それどころか、自分を永遠の滅びへといざなうものであったことがわかったとき、それらと完全に訣別する喜びを表しているのです。
 真実のお方、そのお方にすべてをおゆだねする喜びがそのようにさせたのです。あなたが安心して、おすがりできるお方、そのお方こそイエス・キリストであることを、今のあなたに証ししているのです。

2004.10.24(日)


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