『神のご計画、私の計画』 
新約聖書 使徒の働き 16章6-11節

 今週は、私たちの計画に時に邪魔が入ったように見えるとき、実は神の導きのみ手があるということをパウロの信仰体験から聞いて見ましょう。
 バルナバと別れた後、パウロはルステラでテモテというすばらしい青年伝道者を得、勇躍、小アジアのエペソを目指す伝道旅行の計画を綿密に立てて、出発しますが、どうしてか聖霊はそこでみことばを語ることを禁じられました。パウロたちは向きを北に変え、ビテニヤのほうに行こうとすると、またもやイエスの御霊がそれをお許しになりませんでした。彼らの戸惑いは想像に難くありません。パウロたちは祈りながらも、そのまま西に向かって進み、アジアとマケドニヤを結ぶ大きな港、トロアスに着きました。
 そこで主は初めて幻をもって、今まで隠されておられたご計画を示されました。ある夜、パウロは幻を見ました。一人のマケドニヤ人が彼の前に立って、「マケドニヤに渡って来て、私たちを助けてください。」としきりに懇願するのでした。
 「そうだったのですか、主よ! 今、分かりました。」 パウロは自分の立てた綿密な計画が主によって修正され、思いもよらぬヨーロッパへと導かれたことを知り、日本風にいえば武者震いしたことでありましょう。
 パウロたちは、ただちにマケドニヤへ出かけることにしました。神が彼らを招いて彼らにキリストの福音を宣べさせるのだと確信したからでした。
 当時は今と違い、交通の便は比べものにならぬほど不便であったにもかかわらず、神は船旅も祝され、トロアスからサモトラケへの直行便に乗り、翌日には、もうネアポリスに着きました。後にパウロの第3次伝道旅行の帰途は、同じ航路を5日もかかったことを見ますと、どんなに早かったかが分かりましょう。パウロたちは、いまやはっきりと目標を与えられ、未だ見ぬ宣教の地に思いを馳せたことでありましょうか。
 パウロは、そのような主のお取り扱いを繰り返しいただいて、いよいよ主にお委ねする幸いを確信していったのです。後に、パウロはローマの教会に宛てて書き送った手紙の中で、「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは完全に知っています。」といっています。
 主なる神がいかに私たちの計画の足らざるところを補い、完成させてくださるかが分かります。私たちは営々と努力して積み上げてきた計画にときに邪魔が入りますと、諦めてしまったり、祈りの答えが見えないとこぼすことがありますが、このパウロの体験に習いたいものです。自分の思いを先行させ、全能の神と言い争うときに最後の喜びはありません。神はあなたの計画を損なうことはないのです。そうではなくあなたの過てるを正し、足らざるを補ってくださるのです。詩篇 37篇34節をお読みして、終わりにいたします。

2004.09.19(日)


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