上杉謙信の趣味
幼児期のおもちゃ
- 幼児の時は、人形が城を攻めるからくり仕掛けの玩具がお気に入りだった。大きさは一間四方もあり、二千もの兵士の人形を動かすことができた。この玩具はその後、景勝の時代に武田勝頼と和睦する際、その子信勝に与えられたという。
書道
- 御家流と呼ばれる青蓮院流。おそらく二度の上洛時に公家社会の影響を受けたか。繊細なタッチの墨跡をのこす。養子の景勝に家臣団の名前を御手本として書いて与えた話は有名である。この手本は米沢に現存する。
詩歌
- 和歌・連歌も達人。戦国の詩人と謳われる由縁。有名な「霜は軍営に満ちて・・・」は後世の作だという説がある。
謙信アンソロジー
祈恋
つらかりし人こそあらめ祈るとて神にもつくすわがこころかな
武士の鎧の袖を片敷きて枕にちかき初雁の声
霜満軍営秋気清 数行過雁月三更
越山併得能州景 遮莫家郷憶遠征
四十九年一睡夢 一期栄華一盃酒
音曲
- 上杉神社には謙信愛用の琵琶「朝風」が遺されている。
絵画
- 自画像も書いていたと言われ、現在米沢にその写しといわれる画像が伝存する。ちなみに謙信は非情に丸顔に描いている。また死の一ヶ月前に京都から画工を呼ばせて寿像を描かせるなど、関心も高かったらしい。
信仰
- 宗教は趣味とは言えないが、曹洞宗および真言密教に傾倒、毘沙門堂に籠り勤行することが日課だった。これは信心深い母虎御前の影響によるという。本来は僧侶として世を送りたかったらしい。二度の上洛には高野山詣を欠かさない。
酒
- 「一期の栄華は一盃の酒」とよんでいる通り、嗜好品としては酒が欠かせない。北条氏康も同盟締結の際、諸国でも珍しかった清酒「江川」を贈っている。愛用の馬上盃などは謙信の酒好きを物語っている。つまみは梅干しと塩。これが謙信の寿命を縮めたとも言われている。
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