爆笑・政宗の一日


明六つ(AM6:00)起床。しかし、たとえ政宗が寝坊して正午に起きようと、それは「明六つ」なのである。特に政宗については、お友達の細川忠興が酒を過ごして、将軍御成というのに酔いつぶれてしまった場面を記録している(細川家文書)。二日酔いで朝がつらい日は当然あったことだろう。
身支度。こよりを作って髪を束ね、手水場で洗顔。
喫煙。ちょっと一服というのではない。寝所に戻って唐皮の敷物の上に座し、一回に三服から五服吸う。瑞鳳殿からは政宗の愛用のキセルまでが出土しているくらい、愛煙家であったのだ。現代に生きていたら、きっとCMにも出演して、気障ったらしく「スピークラーク!」などとやっていたに違いない!。
小袖に着替える。
今日はスパゲッチが食べたいな・・・
トイレタイム。「閑所」といった。とはいっても、武田信玄が半日出てこなかったというエピソードが示すとおり、現在のトイレというよりも、完全なプライベートルーム(京間一間四方というから二畳敷くらいか?)だった。三階の棚がしつらえてあり、中には硯、料紙、簡板、香炉などが置かれ、朝夕とも香をたいていた(臭い消しか?)。ここで政宗は着替えたばかりなのに、帯を解き、書状を書いたり、日記をつけたり、一日の予定をたてたりする。政宗は子供たちにも書状は(右筆などに書かせるのではなく)自分で書け、と教育するほどの手紙好き。しかし、閑所における政宗最大の楽しみは、奥小姓が持参する朝食の献立表を見ることだったァ!。この献立表も政宗が訂正を加えて側衆に渡すのである。
一回目の行水。刀掛けに大小を置き、鼻紙・印籠・巾着・帯・小袖の置き場所も定まっていた。寒いときも暑いときも必ず行水は行った。
寝所へ戻り、小袖に着替える。髪も整え、出頭衆に指示を下したりする。そして、足袋はいつも左から履いた。
待ちに待った朝食。御相伴衆と呼ばれる家臣たちと一緒に食べる。相伴衆は政宗自身によってお気に入りの家臣たちが選ばれる。気に入らないやつと飯など食わないのだ。食ったあとはデザートとお茶を楽しむ。
食後の一服(もとい三服)。およびトイレタイム。食ったら出す、という典型的な押し出しタイプ。
公務用の着物に着替える。お客様があった時は、袴もはく。そりゃ当然だわな。
正午〜
奉行とともに公務に精を出す。
八ツ時(PM2:00)トイレタイム。この間に夕食の献立表を見て、訂正を加える。そういえば、給食の献立見るの楽しみだったよなあ・・・。行水。髪を整える。
普段着に着替え。おいおい、もう仕事は終わりか!?
七ツ時(PM4:00)
夕食。食後に酒をのむ。現代と逆だな。「メシにする」といえば、もう酒はやめた、ととるものねえ。しかし、空きっ腹は酔いが回りやすいともいうから、腹ごしらえしてから適量飲むほうが身体にいいかもしれない。戦国マニアは食後に酒を飲もう!
ティータイム。とはいっても茶室などではなく、自室でくつろぎながら召し上がる。時には、今夜のお相手を決めたり・・・。女房は江戸だから恐い者なしだなあ。
就寝。おっと大切なことを忘れていた。明日の起床時間と相伴衆を側衆に伝える。
寝タバコしてから就寝。「さあ、倒幕の夢でも見るかな!」

参考:『政宗記』巻十・政宗一代行事


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