いつもありがとうございます。松原健司さんの作品です。
『ジャミラ』でご紹介したジャミラ型(あるいは高島屋型)鉄塔の基本形と言える鉄塔です。
僕の住んでいるところではほとんど見かけないのですが、あるところには集まっているようです。
見ての通り、最上部の腕金のてっぺんと、鉄塔自体の頭頂部が一致しているのが特徴です。
千葉県にて
最初の写真を見て分かるとおり、ジャミラ型鉄塔の腕金は他の鉄塔に比べて「華奢」な感じがします。つまり腕金内部の補強部材が少ないということ。最上部の腕金などは、外郭を構成する鋼材しかありません。
だからといって、懸垂型で送電線を吊っているものしかないのかと思えば、こちらのように耐張型碍子で送電線を引き留めているものもあるのです。
ジャミラ型の鉄塔は、その構造上、架空地線と上部に位置する送電線との距離(絶縁距離)が確保しづらいと思われます。また、同時に架空地線が1本しかなく、落雷に対して弱そうな感じがしますね。
これらを解決するためには、架空地線を1本のままとするならば頭頂部をさらに上に伸ばすか、あるいは架空地線を2本にすることが必要になるでしょう。
(したがって、この状態は電圧の低い経路に使われているということになるはずです)
さて、この市津線−26は、ジャミラ型でも4回線という働き者の鉄塔です。
しかも、向かって右下にV型懸垂碍子を配すという、なかなか目立ちたがり屋の様子。どうしてこうなっているんでしょうか?
(よく見ると、右側の送電線を掴んでいる碍子が、すべて外側(鉄塔本体から離れる方向)に向いています。このことに関連するのかもしれません)