ゴール直前

(ゴール直前の鉄塔 田中線−55)
『鎧武者鉄塔』から道を一本挟んで反対側、東京電力高柳開閉所の敷地内に立っている「田中線−55」です。
この鉄塔も鎧系ですね。
開閉所という設備は、その名の通り送電線路をつないだり切り離したりするんでしょう(詳しく知らないのです。おそらく、送電経路を最適化するために)
ということは、送電線は開閉設備にまで引きこまれている、と考えるのが普通だと思います。ちなみに、写真の右側に写っているのが開閉所の建家です。
しかし、この鉄塔では違いました。
千葉県東葛飾郡沼南町にて

(ゴール寸前で切れている)
腕金部分を拡大してみたところです。
送電線は最後の碍子までつながっています。しかし、そこから地中に行くはずの電線がつながっていません。
つまり、高柳開閉所の寸前で送電線が切られているということなんです。
「それ、意味な〜いじゃ〜ん(笑)」
切れている送電線ということからすれば、こちらとかこちらがそうなんですが、それは脈絡なく突然切断されているパターンでした。
田中線は「ゴール直前で失格」のような、なんだか変な感じ。

(高柳開閉所のプレートと地面にもぐる電線の証)
最初に「『鎧武者鉄塔』から道を挟んで反対側」と言いましたが、鎧武者鉄塔も高柳開閉所につながっています。
どうやって?
こうやって。
つまり、地面の下を送電線が通っているというわけです。「この下に送電線あり!」
さて。
『鎧武者鉄塔』のページに
そうなると、「東葛高柳線」は東葛変電所と高柳開閉所をつなぐことになるんですが、以前訪れた東葛変電所では該当する線名はありませんでした。改名あるいは新設されたのでしょうか。いつか確認してみたいと思います。
と書きました。
実は、田中線は『雨後のタケノコ鉄塔』にも登場しており、東葛変電所が出発点で高柳開閉所が終点(あるいはその逆)だったのです。
ところが、東葛高柳線は名前の通り、東葛変電所と高柳開閉所を結んでいるはず。
先日、東葛変電所に行って実際に見てみたところ、東葛変電所に東葛高柳線がありました!
東葛変電所の片側から出ていた5系統の送電線(東葉・花葛京葉・田中・流山・我孫子)のうち、「東葉線」と「花葛京葉線」が統合されて「東葛高柳線」になっていました。
よって、現時点では東葛変電所から高柳開閉所までは「田中線」と「東葛高柳線」という2つの送電経路が並行してあるのです。しかし、本項の通り田中線は切れていますから、田中線の役割を東葛高柳線に変更した、ということになるのでしょう。
20000814