ふたりの世界・2
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電話のない電話ボックス
(電話のない電話ボックス)

 あれ? ここって鉄塔のページじゃないのかい?

 まぁまぁ。
 ということで、前回の続きです。

 この電話ボックスは、『危険』と書かれている門のすぐ脇にあったもの。門外から内部への連絡用だったと思われます。

 (右側に貼られている白いテープには、
   「御用の方は受話器をあげて・・・のボタンを押して下さい」
  と書かれています)

 「思われる」と書いたのは、この箱の内部にあったであろう電話機が存在しない(取り外された?)からです。この時点で、僕が持っている道路地図(スーパーマップル3・関東道路地図1998年5月版)を確認したところ、「新東京火力発電所」という名称が載っていました。

 しかし、現在発売されている2000年版の地図には、存在していません。
 発電所の「は」の字も無いのです。
 休止、あるいは廃止されたということなのでしょうか?

(電話ボックスのガラスに反射して、自分が写ってしまいました(爆))

鉄塔上部の構成

鉄塔下部の構成
(鉄塔の上部・下部の構成)

 話を戻して・・・。

 腕金の左右で、碍子の個数が違っています。
 左右どちらも、耐張型の引き留め用碍子と、送電線を引き下ろすための懸垂碍子という構成になっています。
 しかし、右側はそれぞれ4個、左側はそれぞれ9個(ただし、2段目は碍子が二つあり、もう一つの碍子は7個)となっています。これは、送電線にかかっている電圧が違うということです。もちろん、左側の方が高い電圧です。

 同様に、送電線を引き下ろした先にある碍子の高さも違います。

 通常、街中で見かける鉄塔にかかる送電線は、左右とも同じ場合が非常に多く、つまりは左右対称であるのがほとんどなのです。(これは、一つの送電経路を二重化しているということが多いということ)
 したがって、この鉄塔は珍しいパターンに属すると言えます。

豊洲変電所前から豊洲ガスタービン線をのぞむ 東京電力豊洲変電所のプレート
(豊洲変電所前から豊洲ガスタービン線をのぞむ)

 疑問を抱えたまま、晴海通り側に戻ろうとしたところに、東京電力豊洲変電所に気が付きました。
 発電所から送られた電気は、ここで変圧されてから地中送電されていたのでしょう。

 ・・・しかし。
 この変電所も、現在の地図には載っていません。しかも、僕の持っている古い地図にも載っていません。
 プレートの光り具合(笑)からすると、古い施設とは思えませんので、掲載には間に合わなかったのかもしれませんが、発電所が消えて、変電所だけが残っているというのも腑に落ちません。

 地図から消えた発電所。
 地図にない変電所。
 そして。
 ふたりの世界を守る鉄塔たち。


(これらの施設について情報がありましたらお寄せ下さい)

ということで、情報を2件いただきました。(20001112追記)

折口日月さんから
豊洲変電所のことですが、今年(2000年)の十一月から使用されるようです。

上野治久さんから
新豊洲発電所は廃止されたとどこかで読んだ気がします.
古い発電所は経済性に劣るばかりか,環境負荷も大きいので,廃止されています.

 変電所が地図にないのは当然で,まだできていません.
新豊州変電所となるはずの変電所は500kV地下変電所で, 今年(2000年)の11月に完成すると書いてあったような気がします.
なるほど、そういうことなんですか。
地図から消えるものあり。
地図に載る(はず)のものあり。

時間は進んでいますね。

20001008

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