掛け違い鉄塔

(掛け違い鉄塔 京北線−148)
「あぁ〜〜っ!」
そう思っているうちに、車はどんどんと進んでしまう。
あわてて、その先にあったレストランの駐車場に止めて、カメラを取り出しました。
最初の驚きが、次に不思議に変わり、疑問へと。
「何でそうなっているんだろう」
一見、4回線鉄塔だと思ってしまいますが、ちゃんと腕金の数がそろっているのは上側の3本組だけ。下側の小さい腕金は全部で4本。数からいえば下側は1回線分しかありません。
そこまではいいとして、送電線のかけ方がおかしいです。
上側の大きな腕金には2本の送電線。
下側の小さな腕金には4本の送電線。
わざわざこういうかけ方をしているのには理由があるのでしょうか?
いくら考えても、その回答が見つかりそうにありません。
写真の右下には、ドラキュラ型鉄塔が小さく写っています。
こちらの鉄塔には、上下合わせて6組(12本)の腕金がちゃんとあり、しかも、送電線は上側の大きな腕金に順番通り並んでいるのです。
埼玉県川口市にて

(小さい腕金の痕跡)
もう少し詳しく見てみようと、下側の小さな腕金部分を拡大しました。
するとどうでしょう。
小さな腕金の、そのまた上側と下側の間に「突起」がついているのが分かります。それだけでなく、この中間部分には、本来あるべき腕金を取り付けられるだけの場所が用意されているのです。
一旦取り付けられていたモノを外したのでしょうか?
それとも最初から無かったのでしょうか?
いずれにしても、腕金を取り付けようとすればできるのです。
送電線をつなぎ止めている碍子を迂回するジャンパ線と、あるべき位置にあるはずの腕金を重ねてみると、高電圧を絶縁するために必要な距離が取れないのでしょう。
なんだ、だからこうなっているのか。
なぁんて、納得してはいけません。
正規の位置に送電線を取り付ければ、そんな細工をしなくてもいいのです。
送電線を掛け違っている。
やはりそうとしか思えないのです。
20000917