金の糞

(金糞磨きも・・・)
浅草。隅田川。
そのほとりに建っているビルの、半ばあたりには、今更説明するまでもない有名なオブジェがあります。
季節はずれの大風が吹くある日のこと。
自転車を走らせていても、飛ばされそうな感じでした。
隅田川に沿ってペダルをこいでいると、視界の上の方でなにやら蠢くモノが・・・。
東京都墨田区にて

(空中を泳ぐように)
浅草と冒頭に書きましたが、実は川を挟んで反対側の墨田区吾妻橋(浅草は台東区)。アサヒビールのビルの横に鎮座する金糞。ホントはビールの泡を表しているとか、やっぱりウンコだとか、いろいろな意見がありますが。(僕はやっぱり後者の意見を採用します(笑))
さてさて。
この金糞にロープを幾重にも架け、半ば仰向けになりながら、ごしごしと拭き清めている青い制服のおじさん。そこから伸びているロープが大きく風になびいているのが分かるでしょうか?
地上で見ていた僕らも「あぁ」とか「ひゃぁ」などと、彼に届くはずもない声を漏らしながら、体をごそごそと動かしていました。決して、風のためだけではありません。
上ばかり見続けていたら、やっぱり首が痛くなってしまいました。
周りを見ると、同じようにカメラを構えていた人が数人いました。
僕の脇に立てかけてあった自転車が、突風に煽られて転倒してしまったのを機に、再びペダルに足をかけました。
金糞にぶら下がっているおじさんからは、僕の姿は見えないでしょう。僕も走り出した途端に目に埃が入り、ほとんど何も見えなくなりました。
20010908