青年の主張
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地面から・・・青年の主張
(地面から・・・青年の主張)

 バブル景気なんてのが、あったとさ。
 土地は切り刻まれ、吸い上げられて。
 後に残ったのは、人のいない土地や、車なんかに占領された駐車場ばかりだとか。

 これは、東京駅のすぐ近くにある「八重洲ブックセンター」脇の路地を歩くとすぐに見つかる物件です。
 色の違うアスファルト舗装。
 路肩のコンクリートブロック一つ分の帯状になっている部分に、

    『私有地』

 と白ペンキで書かれています。
 ここだけではなくて、数m間隔で3ヶ所くらいに、同じ単語が書かれているのです。

 何が彼をそうさせたのかは知りませんが、書かなければならないほどの事情があったのでしょう。
 青年には、人に言えない悩みもあるし、声を大にして言いたいこともあるのです。
 でも、わずか1mにも満たないこの狭い領域。その裏に隠された言葉に気が付く人はいない。

東京都中央区にて
20010415

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