タイトル |
著者名 |
投票得点 |
『レキオス』 |
池上永一著 |
+2点 |
発想やクライマックスの盛り上がりは他の作品の追従を許さない。
大大大長編ばやりのなか、このくらいの長さというも好感がもてる。
ただ、「沖縄」という土地にほとんど縁のない自分にとって作品世界に入るのに時間がかかった。
欠点をほかにあげるならば、キャラクター造型をあそこまで極端にする必要があったのかな?というところ。
ミステリーというよりはSFだろうが、井上夢人がミステリ作家ならば許されてもよいだろう。
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『あじあ号、吼えろ!』 |
辻真先著 |
+3点 |
列車ものとして今年の意外な拾い物であった。
馬に追いつかれたり、スピード感にはやや欠けるが、戦闘機に襲われたり、戦時中ならではのミステリアスな使命もくわわってハラハラドキドキはベテラン作家だと思った。
プロロークとエピローグで描かれる現代社会との関わり、その後の人物描写も作品に深みを与えていることと思う。
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『ゲノムの方舟』 |
佐々木敏著 |
+4点 |
力作である。抑え目の筆致でじわじわ目的がとかれて来る様は引き付けられます。只、一件落着後のラストのエピローグは賛否が分かれるのでは?
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『∀ガンダム』 |
福井晴敏著 |
+4点 |
これをミステリと呼ぶかどうか疑問におもうひともおられるかと思います。
しかし、数々の提示された謎が徐々に解明されてあっと驚く展開はミステリ特有のなぞ解きに匹敵すると思います。
単にTVアニメのノベライズだと思って読まずにおくと後悔するのではないかと思うほどの作品の完成度です。
個人的には『川の深さは』より面白かったです。
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『DZ』 |
小笠原慧著 |
+3点 |
着想自体は面白いし、展開の先が読めないが、書いてて途中で締め切りか枚数がなくなってしまったという感じでクライマックス以降、まとまりがなくなり、どたばたし過ぎているのが惜しまれる。次回作が期待できそうなのでそれもふくめて3点。
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『山手の幽霊』 |
島田荘司著 |
+5点 |
近年のノベルズ連作で、謎解きの面白さがどんどん薄れていくので、心配していましたが、いやいや、まだまだ島田荘司健在なりを証明した作品。ファンとしては嬉しい限りです。
[収録短編のため集計対象外です]
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『耳すます部屋』 |
折原一著 |
+3点 |
折原一ってこんな作品もかくんだと感心してしまった。只、題材となっている事件のうち、まだ、生々しいものも少なからずあり、読む人によっては不快感を拭えないのでは?
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『月の裏側』 |
恩田陸著 |
+1点 |
評判の割に「これで終わりなの?」と肩透かしをくらった感じでした。
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『屍船』 |
倉阪鬼一郎著 |
+2点 |
ミステリー系ホラー小説というより、いつか見た悪夢の短編化といった感じ。
この手の小説を嫌いなひともいるのであえて勧めないが、世界観がしっかりしているので。
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『動機』 |
横山秀夫著 |
+5点 |
読み終わってしばらく言葉が出ませんでした。
秀作!読むべし!
この作者、マスコミに恨みでもあるのかと思っていたら記者出身の人でした。
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