インターネットで選ぶ日本ミステリー大賞 2001
Japan Mystery Award on Internet 2001
月の裏側
恩田陸著
出版社
幻冬社
本体価格
1800円
発行
2000年03月
ISBN
4-87728-398-6
鈴木芳樹
+3点
[ネタバレあり]
欧米の作家が書いたら、同じテーマでもぜんぜん違う展開になったんだろうな。
自我の境界線が溶け出し他者と同一化するというのは、近代西欧的な文脈では恐怖でしかないけど、日本的な文脈では快楽たりうるのであった。そういう意味ではフィニィの『盗まれた街』よりも、諸星大二郎の「生物都市」や映画版の「エヴァ」を連想した。それにしてもこのひとの小説の登場人物は、なぜ恋愛しないのだろう。
mumum@横浜
+4点
[ネタバレあり]
なかなか不思議な話。幻想の世界にいるような。人間の「ひとつ」になり、誰かに服従することの憧れが具現化されているのが「盗まれる」ということ。再生した人が、元の人と全く同じ外見と同じ思考を持っていることが逆に不気味な感じがする。昨年は、ダントツ1位の作品が無かったので、あえて挙げればこの作品。
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