JMAI2001

インターネットで選ぶ日本ミステリー大賞 2001
Japan Mystery Award on Internet 2001

川の深さは 福井晴敏著
出版社 講談社 本体価格 1600円 発行 2000年08月 ISBN 4-06-210284-6


サワマサ +5点
[ネタバレあり]
甘さの残るのは『亡国のイージス』と同じだが、やや緩和されたかと思える。
文体は相変わらずのくどさだが、ストーリーがストレートで簡潔な分読みやすい。
なぜ、保は、葵が乗ってない漁船を守るため命を捨てたのか。
気に入らない部分はいろいろあるのだが、やはりこの作品は面白い。
葵の父親がフロッピーと共に残した1行のメッセージに思わず涙がこぼれそうになった。
本を読んでの久しぶりのことである。
この作者はどうしても高村薫と比べてしまう。
意味の無い比較をする私がアホなのだが、高村ほどのものを持ちえない代わりに、高村が無くした物をもってはいないだろうか。
興奮と、哀感を与えてくれた、エンターティメントはかくあるべし。

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