とにかく,こんな話を書ける人が日本にいるとは...という感じです.この作品が内容の過激さゆえ落選させられたという話は有名ですが,私は作品を読み終わって「何故この作品が落選させられたのだろう?」と疑問を抱いてしまいました.
中学生が殺し合う...確かに衝撃を受けるかも知れませんがその殺し合いの中の42人(正確には40人)の心理状態を生々しく描いた文体,笑って良いのかダメなのか本当に困ってしまう究極のブラックユーモア,そして殺し合いをさせている東洋の全体主義国家「大東亜共和国」をどこか日本にリンクさせた様な大東亜共和国の恐るべき政治システム...読んでいなかったら後悔していただろうと思うはずです.
色々堅いことばかり書いてしまいましたが,私がこの本を絶賛する一番の理由は個性的で魅力的な3年B組の42人の生徒達にあります.読む内に絶対に入れ込んでしまうキャラが出てくるはずです.
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