松浜の池とは

 新潟市の阿賀野川河口の右岸側に池があります。この池にはまだ正式な名前はなく,新潟市松浜の海岸にあることから「松浜の池」または「松浜の沼」,その池の形から「ひょうたん池」などと呼ばれています。池を訪れる人は少なく釣りをする人がちらほら見られるぐらいです。この池は砂丘の中にあり,周囲には海浜植物がはえ,池の中にはヨシやヒメガマ,ホザキノフサモといった水生植物が茂るという自然環境にあります。夏から秋にかけては多くのトンポが飛びかい,トンボの楽園となっています。その中には,オオモノサシトンボというとても珍しいトンボもいます。

松浜の池の自然環境

 松浜の池は,水中には水生植物,岸辺にはヨシ原,陸地の一部はニセアカシア林,周囲の砂丘は草丈の低い草原になっています。このように多様な環境が組み合わされていることがトンボの理想的な生息環境となっているのです。

松浜の池のおいたち

 なぜ松浜の池には貴重な生物が生息しているのでしょうか。それは,松浜の池が,古くからある池ではなく比較的新しい池であることにあります。新しいがゆえに人間に利用されず,排水は流れこまず,護岸工事によって水辺を破壊されることもなく放置されてきました。その結果,幸運にも貴重なトンボが生息できるようになったのです。
1946年
阿賀野川河口の右岸に入江があります。
1965年
砂嘴が伸びてきました。
1973年
松浜の池の原型ができました。
1993年
現況に近い松浜の池の形です。

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