登山装備

 

 「さて山に行くぞ」と思ったとき準備しなきゃならないものに登山装備があります。登山って道具をたくさん使いますので準備も大変。そこで出かけるときに何を持っていけば良いかすぐわかるように紙の装備リストを作っています。チェックリストで忘れ物無し よし と思ってたんですけど出先で準備したりするときって、リストが無いと何もって行くんだっけ?ってな事になっちゃうことも度々。
 装備の事聞かれる事もあるので、基本的な装備の内訳と夏冬のテント山行で簡易リストを作ってみました。
日帰りだともう少し装備が減らせますが、いつも日帰りだとサブサックに 雨具、ヘッドライトと地図、GPSくらいな簡易装備でコンビ立ち寄って食料を調達するくらいなので。あと日本の小屋って料金高いのでほとんど泊まったことありません。なので以下のテントで行く山行装備になっちゃいました

 

■■ 基本装備 ■■

●必需 ○ルートによってはお好みで △無くてもいいかも ×お勧めできません

足回り
登山靴 皮、プラスティック等 冬季はアイゼンが確実に装着できるもの。装着できるアイゼンの種類も確認。コフラックのアーティクルエクスペディションを7年使用していますのでそろそろ買い替えかも。
トレッキングシューズ 底が固く踝まで覆うタイプが足首の負担が少ないです。近所の靴屋でそれっぽいのを購入して履いています。
運動靴 軽くしたい場合ジョギングシューズ等も ×
サンダル アプローチや宿泊先での使用で結構便利。荷物にならないほうがいいのでビーチサンダルとかでもいいかも。
ちょっと前までならヒマラヤやカラコルムのポーターをやっている人たちはサンダルで氷河を越えてBCまで来てしまいます。一度日本の夏山でサンダル山行を試して見ました。スポーツサンダルで厚手靴下着用。結構快適でした。指先の保護の観点からあまりお勧めはしませんがルートを選べばいけちゃうもんですね。他人の視線が白い気はしましたが・・・
 
衣類
下着 化繊速乾性素材の物が便利 パタゴニアのライトタイプ愛用してます。夏場は速乾性Tシャツで代用可能なので
ズボン いまだにトレーニングパンツ愛用してます
長袖シャツ 夏の場合腕の保護、防寒等 冬季は重ね着の種類で素材を選んでます。冬の場合パタゴニア製の薄手フリースをそのままシャツ代わりに使ってます。
Tシャツ 春夏使ってます。山では綿より速乾素材の物がベスト。化繊の方が汗で濡れても暖かいです。
防寒着 フリース、ダウン等 もっぱらダウンのアンダーウエアを愛用。コンパクトになる上、保温力も高い。濡れに注意ではありますが。
靴下 夏は薄手、冬は厚手のウールを愛用してます。
手袋 軍手、フリース、ウールなど気温と条件に合わせて
雨具 ゴアテックスあるいは同等の製品。雨具は消耗品なのであまり高くないものを数年で交換。以前はブランドメーカー製を愛用していましたが、最近はショップブランドのコストパフォーマンスの良いものを使っています。
ウィンドブレーカー 雨具で代用できるが軽くてかさばらなく長袖シャツの代わりにもなります。ユニクロオリジナル。安いです
マウンテンジャケット 冬山用 20歳代の頃は雨具で代用してました。最近はジャケット愛用。フードの大きいものがヘルメットごとかぶれるのでいいです。マーモットのジャケットですがもう7年ほど使っています。 ×
マウンテンパンツ サイドが開き切るタイプが便利。裾の内側が補強されているとアイゼンで引っ掛けても裂けないので長持ち。 ×
オーバー手袋 防寒のしっかりしたインナーのついた専用のグローブもあるがゴアのシングルの方が軽い。手袋はロープワークなどで意外と消耗します。5本指は細かいロープワークや登攀では良いけど縦走なら3本指が温かくて良いです。 ×
スパッツ 靴への雪の進入を防ぎます。これも消耗品。靴に対してゆったりしたサイズが装着時楽です。前ファスナーでマジックテープのタブがついているとファスナーに雪が付着しないので凍りにくいです。
帽子 夏の日差し遮断、雨天時の雨具フードからの視界確保、冬の頭部保温など。冬用はナイロン製のシェルに内側フリース素材で耳まで多い防風保温効果もある。
 
行動用具
ザック 日帰り20〜40 1−2泊(テント)で50 長期で100リッターを使い分けています。ロウアルパインの100リッターを使っていますがパッキングには苦労しません。ただ若干ザックは重いです。
サブザック アタック用の装備が入る小型ザック。 用途によりますが冬の登攀具があるアタックの場合35リッター 夏の縦走のアタックだと大型ザックの雨蓋部分やスタッフバックに紐をつけて持っていったりすることもあります。なるだけ装備は増やしたくないので
スタッフバッグ ザック内部の荷物の仕分け用。完全防水の物は寝袋とかをぬらさないので重宝しています。
ストック バランスに自身があれば必要ないですが、下りで膝の負担を軽くしてくれます。冬はラッセルの道具になりますし、工夫次第で簡易ゾンデ棒の役目にも。ツェルトの支柱にもなります。
ヘッドランプ 山の必需品。最近のLEDタイプの物は電池の持ちがものすごく良いです。LEDタイプ出始めの頃のペッツルティカを愛用していますが普通の山行なら3ヶ月以上電池持ちます。ティカは光量的にはぼんやり明るいタイプですが見やすいです。電池の持ちが良いのでテント内でランタン代わりにも使えます。
ナイフ 定番のヴィクトリノックス 一番安いくてコンパクトなスーベニアを使っています。キャンプで包丁。食事でスプーン代わり。非常の時はナイフとして!?
コンパス スントのコンパス。でも実は温度計のついた小さいキーホルダータイプが軽くて良いので使ってます。
地図 ルート図 登山地図 2万5千地形図など バリエーションルートや沢登ではルート図などもあれば安心です。
GPS ハンディGPS。すごい便利です。霧に巻かれても正しい方向と距離を示してくれます。冬のホワイトアウトでも活躍。ただ樹林の中や深い谷だと衛星補足できなくてじれったい思いもします。軌跡ログは後で行動記録確認に便利です。問題は電池、結構使います。日帰りとかなら問題ないですけど。GEKO201使用
もちろん地図が読めて地形を見て現在地を把握できる人は必要ないかもしれませんが。
時計 高度計付は山ではとても便利。ぜひほしいアイテムですが最近はGPSを持っていくので2000円のデジタル時計で満足してます。
水筒 夏の場合ペットボトルで代用。というか飲み物買うともれなくボトルもついています。寒くなってくるとステンレスボトル等 サーモスの製品でめちゃくちゃ軽いのがあってそれが便利でした。
トイレットペーパー トイレの用途はもちろん、食器拭きでも活躍します。ティッシュペーパーと併用すればいろいろ使えます。
メモ 筆記用具 鉛筆 ノート等 ボールペンは冬だと屋外でインクが硬くなり書けない時がありました。保温しておけばOKですが
タオル 汗拭き 鍋つかみ 水つくりの鍋の尻拭き 雨のテントの床掃除などいろいろ使えます。寒いときはマフラーや耳あてにもなりますし意外と万能なタオルです。凍ると硬いので武器にもなるかも
予備電池 電池使うものが多いです。ヘッドランプ ラジオや無線、GPSレシーバなど。必要な形、数を。ニッケル水素電池を使うことで再利用するのでごみが出なくなりました。

 

その他
カメラ もっぱら記録が主なのでデジカメ愛用です。軽くて小さいし長期の山行でもフィルムのようにかさ張らないので。
ラジオ 天気図用気象通報受信機 でも最近はテントで音楽聴いたり明日の天気もラジオの天気予報で判断しちゃうことが多いです。短期の場合はいつでも帰れる範囲なら、それでもいいですが長期だとやっぱり天気図はほしいですね。
嗜好品 いろいろ 私の最近のお気に入りはフラッシュメモリーのミュージックプレイヤー。 好きな音楽で山の夕日を眺めるのもなかなか良いものです。ボイスレコーダーにもなるので記録用にも使えます。しかも100円ライターサイズでめちゃくちゃ軽いです。

 

非常用連絡手段
トランシーバー アマチュア無線機 144&430MHzのディアルバンド。稜線上なら出力が小さくても結構届きます。(電池使用時3ワット機で新潟−横浜間通信経験あり) 谷間だと通信が期待できないのが難点ですが。
携帯電話 稜線上が使用圏内に入っている事が多くなりました。つながれば無線より確実な連絡手段です。電池の消耗には注意。山だと濡れたり蒸れたりしやすいので防水に注意です。(水濡れマークがピンクになります。)

 

宿泊用具(テント泊を基本としています)
シュラフ(寝袋) テント泊での必需品、小屋の素泊まり、ビバークでも使えます。ダウン、化繊の物があります。最近はダウン製も値段が手頃になってきています。ダウンの場合濡れたらアウト、その点化繊は濡れに強いです。最低使用温度が明記された物が多いのでシーズンにあわせて種類を選べば快適です。個人的には夏用のダウンと化繊を2つ、条件に合わせて使い分けています。アウターに化繊夏用、インナーにダウン夏用を組み合わせて使用すると厳冬期でも使用可能でした。
シュラフカバー 保温力アップ、シュラフの防水、など 夏などはカバー単品で使用して軽量化など。秋などは夏用ダウンシュラフと併用すればかなり暖かいです。濡れやすいシーズンはあると便利です。ゴアテックス製が防水面で有効です。縫い目シールしてある製品を選びたいですね。
スリーピングマット ウレタン、エア等あります。エア製はコンパクトになりますのでパッキングが楽です。サーマレスト製のウルトラライトを使用していますが、最近は他のメーカーでも良い物が数多く出ています。
テント 登山用は値段は高めですが軽量です。ゴアテックス製だとフライを使用しなくても実用になるので軽量化できます。フライ使用ならナイロン製でも快適。冬季使用も考えるならオプションで内張りや外張りが用意されたものがいいです。山ではカモシカスポーツオリジナルのエスパースやICI石井スポーツのゴアライト等が人気。アライテントのエアライズも良いテントだと思います。
テントフライ 外張り等 上記テントはドーム型なので入り口部分が斜め上を向いて開口しています。雨の日など吹込みがあると出入り時面倒なのでフライの使用は必需です。冬は吹流し状の入り口を持った外張りがありますので併用すると保温面でもかなり有効です。フライトテントの間に荷物も少々置けるのでこれまた便利
テントマット テントの床に引く薄手のマットで地面からの温度を遮断してくれます。あると結構快適ですが若干かさばります(軽量ではある)。登攀時など軽量化をする場合、個人の就寝用マットとザックを下に引いたりして持っていかない場合もあります。
ペグ テントを地面に固定する杭。テント自体は自立型なので必要ないがテントを離れたとき、風で飛ばされたりするのを防ぎます。またフライの設営に必要な場合があります。
ストーブ ガソリン 石油 ガスなどの燃料の種類によっていろいろある。現在の主流はガス式で厳冬期まで安定して使えるうえかなりコンパクトな設計。手のひらサイズからボンベ分離タイプまであり厳冬期はボンベ分離型の方が火力は安定しています
燃料 ホワイトガソリン 灯油 ブタンガスなどが携帯ストーブ(コンロ)の燃料です。10年くらい前まではガソリンコンロそれ以前では灯油コンロも使われていましたが最近はガス製が多くカートリッジの種類も豊富です。寒冷地仕様のプロパン混入のカートリッジは低温でも安定して使えます。
コンロ台用ベニヤ板(ラジ台) コンロを安定させる板。山ではテント内でコンロを使用する事が多いので必需品。(ラジ板)とは石油コンロをラジウスと呼んでいたことからラジウスの板=略してラジ板と呼ばれるようになった。
ランタン ガスランタンが多かったですが最近はLEDヘッドランプの普及によりあまり使わなくなりました。雰囲気はいいので荷物の重量を気にしないで雰囲気をという場合いいです。
アルミ チタン ステンレス等 人数によって大きさや数は変わってきます。自分は最近チタン製の大鍋2リッター小鍋1リッターで2−3人の山行をこなしています。人数が多い場合食事を2回作ったりして。食料計画とも関係してきますので用途に合わせて使うといいかも
食器 チタンのシェラカップと100円均一で買ったプラスティックのカップを使用。木のおわんを使う人もいます。金属製は熱いものを食べるときちょっと不便ですがいざというとき火にかけられるので1つは持っていたほうがいいかも
箸 スプーンなど(ブキ) 箸は割り箸を使い回しています。竹の割り箸は何度でも使えるので便利。あと軽量化の為、チタン製先割スプーンを使用してで箸無しの山行もあります。でも箸は便利です。

 

登攀具
アイスアックス(ピッケル) 雪山での滑落停止、確保、登高時のバランスサポートなどに使うつるはし状の杖。登山のスタイルに合わせてさまざまな種類があります。一般縦走用はピックのカーブがきつくなくシャフトがストレートが使いやすいです。登攀用はシンプルなものから凄いマシーンのようなものまで種類が豊富。特にアイスクライミングではアックスの性能が登攀の可否を大きく左右する場合もあります。 ×
アイスバイル ピッケル形状でハンマーがついているもの。ピトンやアイスハーケンを打つ構造になっている。岩壁登攀などではシンプルでピッケルより多少短めのバイル。アイスクライミングなどではピッケルとペアの形状の物が多い。
アイゼン 夏の雪渓で使える軽量アイゼンから冬用12本爪アイゼン、アイスクライミング用のリジッドタイプまで種類も豊富。用途によって使い分けを。夏でも雪渓は早朝や日陰部分で氷の硬さの箇所があります。安全のためにも雪渓を含むルートなら持って行ったほうが無難かも。
クライミングロープ ナイロン製の8.8mm径から11mm径のロープで長さは40m〜50mの物が一般的。フリークライミングでは太いものをシングルで。アルパインクライミングでは細い物をダブルで使用したりする。雪稜登攀などでは細めのロープをシングルで使うこともある。
スリング ナイロンテープやナイロンロープで作った輪。確保支点間の延長や懸垂下降時の捨て縄などさまざまな使い方がある。登攀時の必需小物。
カラビナ ジュラルミン製の金属の楕円リングにゲートが設けられた物。登攀時の必需小物。
安全ベルト(シットハーネス) 登攀時の落下から身を守るベルト。全身用と腰だけの物がある。登山では腰だけのシットハーネスが一般的。 全身用はケービング(洞窟)などで使われている。加重がかかると太もものベルトがサポートしていすに座っている形状で安定する。太ももの部分に足を通して体へのフィット感の良いフリークライミング用と着脱性を考慮したアルパインクライミング用がある。
ロックピトン(ハーケン) 岩の割れ目に打ち込むクサビ状の釘。岩の割れ目(リス)のサイズに合わせて種類も豊富。
ボルト ジャンピング 割れ目の無い岩などで支点を取る場合、岩に穴を開けてボルトを打ち込む人工の支点。ジャンピングでドリルのように岩を削りながら穴を開け、打ち込むと穴の中で先端が広がる金属のピンを打ち込む。過去にはこれらを用いてルートの開拓なども行われていたが最近では非常用や新規ルート開拓時、ルート整備時に使用する程度。フリークライミングの場合ルートの安全性のために必要なポイント打つ場合がある。ルート整備の場合市販の電池式コンクリートドリルや工事用アンカー、ケミカルアンカー、ペッツルタイプが用いられることがある。
アイススクリュー 氷にねじ込む支点。ハンマーで打ち込むタイプ等もあるが最近ではねじ込みタイプが安定してスピードも速く一般的。 ×
下降器 懸垂下降時、ロープの摩擦力で制動をかけながら安定して下降を行う器具。8の字状の金属リングを用いたエイト環が有名。最近ではさまざまな形状の下降器があり確保器と機能をダブらせるものもある。ケービングの世界では下降器の種類は豊富でラック型、カムで下降を手動で操作するペッツル社のストップなどがある。
登高器 ロープにかけて使用する。上に動かすと自由に動くが下方向へ動かすとカムがロープを挟み込んで動きを抑制する。この仕組みを利用してロープを登る器具 ユマール シャントなどが有名
ナッツ カム類 岩にあるクラックに挟み込んで使用する支点。ナッツ類はナットの形状や台形のシンプルな構造。カム類はばねでクラックの幅に合わせて挟み込めるストッパー。ワイルドカントリー社のフレンズが最初の頃主流だったが今では各社から同様なカム類が豊富に発売されている。
確保器 フリークライミングでトップの確保、トップロープでの確保などを簡単且つ安全に行える装置。カム形状のストッパーやロープの摩擦を利用したストッパーなど種類も豊富。

 

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