地 球 連 邦 構 想 案
(一厘の仕組地球編)
森本 優(2005/01/17)
人並びに擬制的人格者の人権・権利保障の枠外のものとして、その保護がなおざりにされてきた為、地球上の生物だけでなく、大気までもが、微妙なバランスを急速に崩し、その為、地球上の至る所で天変地異が発生するようになっています。
今までの憲法は、特権階級の人達であれ、一般人民であれ、「人」の権利の保障を目的としたものであり、人間至上主義に裏打ちされものです。
確かに、王や国家から私たち人間個人の権利を守る必要性は、歴史的な事実としてあったし、またあり続けることは当然のことであり、否定されるべきことではありません。
しかし、個々の人間が、己の慾を全開し、権利を盾にとって、人権・権利保障の枠外の生き物を絶滅に追いやり、また地球環境に重大なダメージを与え続けるとしたら、そのような権利行使に対しては疑問を持たざるを得ません。
さりとて、地球環境保護を名目に、全体主義的管理社会を作り出すことにも消極的でなければなりません。
そこで、以下の通り、地球憲法裁判所の設置を考えた地球連邦、即ち、代替社会の構築を提案します。
地球憲法裁判所は、各国の主権から独立した機関で、主に環境・戦争に関する問題に関して、宇宙の理法の中から具体的な法を探し出して、その判断を当事者や当事国に対して公式に伝える役割を果たすものとします。
その判断は、各国の司法裁判所が下す当事者間における権利義務や法律関係の存否の判断、といったものではなく、あくまでも問題に対する法とは何かを世界の人々に示すものであり、従って、より多くの人々の批判にも晒されるべき性質のものであります。
このようにして、宇宙の理法とは何かを人々の関心事となし、より多くの人達に地球意識を育てていただくようにします。
その為、軍隊等による強制執行力は認められるべきではないと考えますが、世論を喚起するため、当事者や当事国に対して事実上の拘束力を及ぼしてゆくはずです。
地球憲法裁判所は、地域・県別のもの、州・国別のもの、大陸別のもの、そして地球連邦レベルのものまで準備し、問題ごとに管轄を振り分けるようにします。
当面は、地球憲法裁判所の準備機関として、地球憲法調査委員会を重層的に設置し、その構成員には、地球意識に目覚めた地球市民を選任します。
どのような人が「地球意識に目覚めた地球市民」と言えるのか、その判断基準について問題が生じてくるでしょうが、調査委員会の準備を市民運動・農民運動の一環としてなすようにすれば、自然と適任者が現れてくるはずです。
ところで、日本の皇室のあり方に関してですが、血統と伝統を守り、ただ言われたことだけを公務として勤めるだけでしたら、天皇を初めとした皇室の方々は、政治的権力の操る木偶に貶められるか、良くても、単なる封建的遺制として、その存在意味を失ってゆくことは必定でしょう。
天皇は、その性別にかかわらず、政治的権力によってではなくその徳によって、世界の人々を感化してゆくべきであり、そのように人々を感化する徳は、宇宙の理法に裏打ちされていて初めて可能となるはずです。
その意味からも、これからの皇室のあり方に関しては、地球環境と世界平和のために、積極的に外交に勤められるのが筋であると考えます。
因に「女帝」に関しては、そもそも古代においては、女性がシャーマンとして天皇の本来の役割を果たしていたのであり、また、徳(神格)の高い天皇が立たれる機会を広げておく意味でも、「女帝」は当然認められるべきだと考えます。
地球連邦構想図
さて、宇宙の理法を直接体現しているのは、(1)枠の村や地域を構成している山里等の大地、大気、川・沼・湖や海、そして動植物や人間等の個々のいのち(自然)です。その意味では、まず村が輝かなければ、地球も輝くはずもなく、その為、それらの存在を直接包む村もしくは地域単位のあり方が、行政単位として一番重視されなければなりません。
上位の行政庁並びに議会は、村や地域のあり方を、宇宙の理法に適うようにフォローしてゆく責任を負うことになります。
そして、地球市民の一員として代替社会を目指そうとする若者は、大志を抱いて村や地域に根を張るように努め、村なり地域なりを、より良きものへと変えてゆかねばならないでしょう。
その為にも、代替社会を準備するために必要とされ、また若者が活動の場とできる事業を、幾つも村内・地域内で興してゆくことは大いに奨励されるべきです。
そして、そのような動きが、自らを救済する新しい社会革命に繋がってゆくものと確信します。
村の実相
食
米・麦・とうもろこし・大豆等の主要作物の地域内自給、及び災害時等のための一定量の備蓄。
特産品・加工品の開発・育成。
村民への農地貸付制度等の整備。
緑肥・堆肥の地域内自給など、環境に配慮した地域循環型農業の推進。
無農薬・低農薬栽培技術や、環境に配慮したバイオ技術の開発。
食養学(何を何の様に食べるか)の普及。
住
材木等の建築資材の自給、もしくは産地との提携(林業等の育成)。
村内建築・土木工事を共同もしくは委託でおこなう。
建設機械を他村・他地域と連携して用意し使用する。
防災施設(避難場所として、水・食糧・エネルギー源等を確保する施設として)を、村内に、もしくは他村・他地域と連携して、設置する。
エネルギー
分散型自然エネルギー等を利用し、エネルギーの村内もしくは地域内自給を目指す。
小型発電所を共同で設置することで、村内及び地域内の人々の健全な繋がり合いを再構築する。
防災施設に小型発電所を設置し、災害時に備える。その場合、エネルギー供給システムを複数整えることが望ましい。
教育
衆愚政治を防ぐため、村民個々の自己の確立を導く。
自然からものを学ぶ機会を多く与えるよう配慮する。
環境教育を充実させ、地球意識を育てる。
村内・地域内の子供を健全に育てるために、地域内の大人が見守り協力し合う。
伝統的芸能・技術を承継させ、発展させる。
情報
村内・地域内の情報網の整備
インターネット等で、各村での取り組みを紹介し合い、参考にする。
各地の村・都市との直接交流の場を設ける。
国際情勢に関して、信頼できる情報回路を複数持つようにし、情報操作に対処する。
各地の地球憲法調査委員会との連絡を密に取る。
政治
地球憲法(宇宙の理法)に則った政が求められる。
個々の村民の自己の確立と自覚を問う。(村の政が「長い物には巻かれろ」式のものに止まる限り、国政レベルでも必ず全体主義が容易に台頭し、一部の力のある者達の利益のために戦争に突入するといったことにもなる。その為、国の政治を変えてゆくには、まず村の政治を変えてゆかねばならず、それには、個々の村民がそれぞれ自己を確立することから始めなければならない。)
金融
無尽講・村民バンク・市民バンク等の融資制度により、村内及び地域内において必要な事業を興す。
目的別基金を設けて、地域に必要な事業を育成する。
貸し借り等の当事者において、相手の顔が見える結びつきを重視する。
流通
朝市・夕市・ファーマーズマーケット等の村内・地域内流通網の整備により、地産地消・お年寄りによる遊休農地の活用・地域作り・コミュニケーションの場の創設・地域経済の活性化、等々を推し進める。
他地域との流通網の整備に関しても、相手の顔が見える繋がり合いを重視する。
医療
「気」の働きを重視し「医食同源」とする東洋医学の立場から、病気の予防を中心とする診療所を村内もしくは地域内に設置する。
一定の先端技術の施設を備えた病院は、各地域が連携して整備する。
衣
綿・麻・絹等による伝統織物技術の承継と特産品化。
新しい繊維・生地の開発・生産・特産品化。
宇宙の実相
あるものがこの宇宙に生成し存在するようになるには、
前もってその準備がなされている。
私たちがこの地球上に現れるようになるには、
長い時の流れを経てその準備がなされてきた。
海と大地そして大気の生成。
微生物の発生と動植物への進化。
私たちはそれらの生命のはたらきに支えられることで、
初めてこの地球上に人間として存在している。
それらのはたらきの微妙なバランスを失えば、
私たちは滅び去るしかないのだ。
私たちが住んでいる回りの山や里、川や海や空、そして動植物たちに感謝しよう。
同様に、世界の人々が住んでいるこの地球環境に感謝しよう。
そして、この生命宇宙を支え続ける永遠なる母性のはたらきに対しても、感謝の念を捧げよう。
全宇宙の図その1
それぞれの花びらが生成した個別具体的な存在(いのち)とすれば、
その中心には常に宇宙の理法が行きわたっている。
この宇宙においてその理法がはたらいていない場所はなく、
それは森羅万象に偏在している。
私たち人間は絶滅を免れるためにも、
今、その法を探り出さねばならない。
全宇宙の図その2
(2005.1.19 森本 優 作)
両性具有者としての永遠なる母性のイメージ
それは、何時の時代に於ても聖なる星たちを、
この生成界に投げ込み、生み出しつつある。
「みみずのミミちゃん」
「てるてるひめ物語」参照
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