随筆 『空跳ぶカエル2』 かえるのオシッコ
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カエルのオシッコ  君は冬眠中のあまがえるを見たことがある? 驚いたことに丸々と太っていて食べてしまいたいくらい。身体の色? お腹は白を基調とした淡い黄色。背中は暗い茶色系で枯れ葉や土の色に大変よく似て保護色のお手本みたい。 ぐっすり寝ているので裏返しても動かない。これをヒックリカエルと言う。 

 暫く触っているとカエルの体温が上がり、少し動き始める。動くと言っても、後ろ足がそれこそゆっくりと、金縛りに遭った足を動かせるがごとき行動。 
 最初に出来ることは裏返しになった身体を直して、お腹を見せなくすることくらいだ。 もう一度裏返すとまたまたゆっくりと元に戻ろうとする。そんなことを繰り返していると、驚いたことに大量の水が、かえるの躰から出て来る。 
 よく見るとこれは小便らしい。それを2・3度繰りかえすと、何と身体が見る見る小さくなってしまい、痩せガエルになって動きが激しくなる。

 そうなんです、太って見えたのは体の中に小便が。小便でなくても少なくとも大量の水分が保持されていたのです。 これはカエルの水肥りだ。寝ている間は小便に起きるのが嫌なのだろうが、水分でも身体に貯えておいた方が体温の保持に都合が良いのだろう。
 その次にこの痩せガエルが出来ることは、敵を威嚇することです。 威嚇と言っても胸を張って身体を大きく見せる位のことです。それでも一生懸命に威嚇している姿が頼もしいのです。


 



                   

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