福泉(ふくせん)

 この地域には多様な石仏が見られる。 富士山信仰の対象である『浅間の大神(あさまのおおかみ)』は『浅間大菩薩』でもあり、その菩薩は古事記に出てくる絶世の美女であった『木花開耶姫(このはなさくやひめ)』であるとの思想もあり、神仏混交(しんぶつこんこう)の富士山信仰の世界を確立した頃を思わせる石仏がある。 『冨士浅間大菩薩』は神の偉大な力にお願いする姿であった。
 また、『西国秩父坂東観世音』は18世紀ころ盛んであった西国・秩父・坂東三箇所の観音霊場巡りと関係があるものと思われ、道行く人の安全も願ったのだろう。その他に五穀豊穣を願った大地の神『堅牢地神』や馬の健康を願った『馬頭観世音』などがあり、福泉の名に相応しい石仏がある。

【石仏に使われている文字の解釈】
木花開耶姫(このはなさくやひめ):大山祇神(おおやまつみのかみ)の娘。磐長姫(いわながひめ)の妹。美しい容姿を天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に好まれてその妃となり、火酢芹命(ほのすせりのみこと)、火明命(ほのあかりのみこと)、彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を生む。京都府宇治市の、木花開耶姫を祭神とする神社の県祭(あがたまつり)は神輿(みこし)の渡御の間、沿道の家々があかりを消すため、「くらやみ祭」として知られている。

福泉27-12番地の『石祠』

福泉2番地の石仏群全景。

福泉2番地の
木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)』。

 

 

福泉3番地の『道祖神』。

福泉99番地の外形が最も小さな『馬頭観世音』。

福泉 『薬師堂』

 

福泉 薬師堂敷地内の石仏群。

福泉 薬師堂敷地内の『西国秩父坂東観世音』。

福泉102番地の 『浅間大菩薩』。

 

弘西寺