ベーゲルパンとの出会い
  1988年ころアメリカバーモント州に住んでいましたがそのころベーグルパンが流行になり
  ました。小麦粉以外何も使わない単純さともちもち感とクリームチーズとスモークサーモンの
  味がわすれられず日本経済の成長が鈍った1993年ごろできるだけ自給自足の生活を目指
  して有機無農薬の小麦をつくりベーゲルパンを焼こうと考えました。
  まず作り方のノウハウを得る為に妻が1995年に2ヶ月渡米し「Better Bagel]という店で作り方
  を修業してきました。
  1998年に会社を辞め2001年に北海道に農場をもちました。
  以来5年間無農薬で小麦をつくろうと奮闘してきましたが 湿度が低い北米、カナダと違い湿度
  高い日本ではー比較的湿度の低い北海道でもー赤カビがつくことが多く(DONという強い毒性を
  持つことがありカビが発生すると製品になりません)防除なしで小麦を作るのは困難というのが
  わかり小麦つくりを断念しました。
  現在はハルユタカがブレンドされた100%道産小麦を使っています。

  「Once A Wheat]はかっては小麦だったとでも訳しましょうか。麦作りへの思い、小麦つくりの
  むずかしさをあらわしています。
ベーゲルパンとは
  1683年オーストリア国王がトルコ軍の攻撃からウイーンを救ってくれたポーランド王へ献上品
  として贈ったのがベーグルの始まりといわれています。ポーランド騎馬隊のシンボルである馬の
  あぶみを模して職人にリング状のパンをつくらせたのだそうです。東ヨーロッパから移住した
  ユダヤ人がニューヨークにベーゲルを伝えました。 
  リング状のパンであるベーゲルは焼き上げる前に蒸したりゆでたりするユニークなパンで
  しっとりもちもちとした食感が特徴的です。レシピは小麦粉とイーストと塩と水、トッピングや
  練り込み素材などで構成され、卵、バター、牛乳等動物性たんぱく質を使っていないのでとても
  ヘルシーです。
  アレルギーや生活習慣病などが気になる方にもおすすめです。
小麦、小麦粉のはなし
  小麦の農耕は約1万年前の新石器時代に現在のイラン西部(メソポタミア地方)で始まりました。
  染色体の異なる4つの種類、1粒系、2粒系(マカロニやスパゲッテイに使用)、チモフェービ系、
  広く栽培されている普通系、があり日本では普通系が栽培されています。生産量は全世界で
  5億6千万トンです。日本で栽培される小麦には春播き小麦と秋播き小麦があり北海道の場合
  春播きは4月下旬から5月上旬に播種、8月中旬から下旬に収穫する。秋播きは9月中旬から
  下旬に播種し翌年の7月下旬から8月上旬に収穫する。反当りの収量は春播きは200Kg、
   秋播き500Kgほどで収穫した小麦は穂発芽している小麦の混入具合で1等、2等、規格外に
  分類される。
   最近は春播き小麦の初冬播きで反当り600Kgの事例もある。小麦の開花時に赤カビがつくと
  DONという強い毒性をもつことがあり製品にならない。(規格値は1.1PPM以下)
  小麦粉の歩留まりは粉砕の大きさと白さの関係で決まるが製粉会社では70%T&Hファームで
  は全粒粉の場合50%ほどである。小麦粉の品質には容積重/ヘクトリットル、水分%、灰分%
  蛋白質%、アミロ値、ミリングスコアーなどがあるがたんぱく質の量で用途と小麦粉を大別して
  いる。薄力粉(たんぱく質6.5−8%)は菓子用、中力粉(8.0−9.5%)は菓子麺用、
  準強力粉(9.5−11.5%)は麺パン用、強力粉(11.5−12.5%)はパン用である。