朝日遺跡の墓


朝日遺跡のお墓と、その儀式について、簡単に紹介しましょう。
朝日遺跡のお墓といえば”方形周溝墓”が思い浮かびます。
方形周溝墓とは、字のごとく「四角く溝を巡らすお墓」のことで、 死者を葬った場所の周囲を、溝を四角形に掘ることで区画したお墓です。 朝日遺跡では340程の数の方形周溝墓がみつかっています。
このタイプのお墓は、日本では弥生時代のはじめに北九州地方に出現し、 やがて近畿地方、東海地方を中心として、日本各地で造られるようになります。
方形周溝墓の中心ともいえる、死者を埋葬した部分は、一様ではありません。
まず第一に穴を掘り、そのまま、あるいは木の棺をつかって死者を埋葬する方法があります。
また、弥生土器を棺として利用した、土器棺葬もみられます。
これは、子ども用の棺とも考えられます。


朝日遺跡ではさまざまな大きさの方形周溝墓が見られます。
その中でも最大のものは全長35mにも達し、弥生時代のお墓としては、 全国的にみても最大級の部類に入ります。
自動車の大きさと比べて見てください。
この大形の方形周溝墓を取り囲んでいる溝からは、 木で作られたスコップがみつかっています。
写真のように、意識的にならべて置かれています。 墓造りや、死者の埋葬につかわれたスコップが、その役目を終えた後に、 墓に残されていったようです。


方形周溝墓の溝からは、土器が数点みつかることがあります。 この土器から、お墓での儀式を復元することができます。
時にはこの溝から、大量の土器が捨てられたようにみつかります。 これは、儀式において使われたまじない用の土器や、 飲み食いに使われた調理具、食器などが忌み嫌われ捨てられたもの、 と思われます。



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