弥生時代中期では最大級・・・巨大集落の象徴

大形方形周溝墓



大形方形周溝墓
弥生時代中期に入り、朝日遺跡では集落東方の「東墓
域」に造墓の中心が置かれます。その中でも全長30mを
超える大形方形周溝墓は、これを中心に中小の方形周
溝墓が築かれるなど、墓域全体の造墓規制を考える上
で重要です。
大形方形周溝墓の一つは東西33.5m、南北22mという規
模をもち、四隅に陸橋を有するタイプです。溝底からは
柄の付いた鍬(くわ)が2本みつかっています。また朝日
遺跡最大の方形周溝墓は東西35mという巨大なもので、
溝の底からは3本の鋤(すき)などがみつかっています。

最大の方形周溝墓の溝底に据え置かれた木製の鋤


朝日遺跡の方形周溝墓は、一辺の長さが、
1.10m以下のもの
2.12〜16m程度のもの
3.それ以上のもの
という分類をすることができます。弥生時代中期には方
形周溝墓の規模の格差が大きいのですが、後期には
その差が少なくなり、おおむね1.の範囲内に収まるよ
うになります。そして、朝日遺跡の方形周溝墓の中でも
最大規模を誇るものは、他地域の弥生時代の巨大な
墓と比較しても、遜色がないことがわかります。

朝日遺跡

加美遺跡(大阪)

吉野ヶ里遺跡(佐賀)

(挿図引用・参考文献)
(財)愛知県埋蔵文化財センター(1995)「朝日遺跡への招待」


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