(1999/07/04更新)

初めての北海道 03
露天風呂



 北海道には無料の露天風呂がたくさんある。
 これがロングツーリングでは、いい区切りとなり楽しみとなる。
 一人旅同士が湯船につかっていれば自然と会話がはじまる。自分がこれから向かう場所の話や、二人とも偶然同じようなルートを辿ってきたことがわかったりなど、なかなか楽しいものだ。たとえ普段は人づきあいなど億劫だと思っていても。
 こんな時には、お互いの名前など知らないから相手のナンバープレートの地名で呼び合う。例えば「おひとりですか? 表の大宮ナンバーの方ですよね?」「えーと、さっきの京都ナンバーの人?」みたいな感じだ。用意のいい人は自分の連絡先を書いたカードを持っていて、別れる時に渡してくれる。
 北海道には露天風呂だけでなくキャンプ場も無料のものが多数あり、天気さえよければタダで快適な旅が楽しめる。たぶん。(^^; 私は車中泊派なので、実はあまりよく知らないのであった。(^^; しかし例えばサロマ湖畔でいえば、キムアネップキャンプ場などは施設も整い、静かで夕日の眺めも抜群。有料の野営場よりもいい感じなのだ。
 温泉があり、キャンプ場がある。野宿に便利。これがライダーが北海道を目指す理由のひとつなのだろう。北海道はドライバー・車の人間よりもバイクの人間・ライダーにとって、より天国として感じられるのだと思う。さらにはチャリダー・自転車の人間にとって。さらにあるいは、とほだー・徒歩で旅する人間にとって。(って本当に歩きで北海道を旅してる人っているんでしょうか?)



所在地:北海道 道東
撮影日:1999/06/18(金)-1999/06/27(日)
Digital Camera:FUJIFILM DS-8
Camera:Canon EOS100QD + EF28-80mm, EF80-200mm, Tokina AF 235II
Scanner:HEWLETT PACKARD PhotoSmart
Re-Touch: Adobe Photoshop 5.0, Jasc Software Paint Shop Pro 5
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 道道966、富良野からほど近い十勝岳山中に湧く温泉、吹上露天の湯。ドラマ「北の国から」で使われたということで人気らしい。
 しかしこの時はちょうど湯を抜いて掃除中であった。大小ふたつの湯船があり、大きな方が清掃中、小さな湯船には4、5人ほどのグループが芋洗い状態でつかっていた。楽しみにしていたのだが、しかたなく引き返す。
 この日はちょうど十勝岳の山開きの日。天気が悪く山上はガスってなにも見えなかったが、とにかく車が多かった。十勝岳温泉の駐車場も望岳台の駐車場も空きがなく通り過ぎるしかなかった。北海道上陸2日目で北海道でもこんなに混雑するのかと辟易としたものだったが、山開きという特別な日ゆえのことだったらしい。
 屈斜路湖南岸に突き出た和琴半島の温泉。写真右には屈斜路湖の滑らかな湖面が広がる。
 和琴半島は人も少なく、ポカポカ陽気のこの日は時の止まった世界のような雰囲気。一帯はミンミンゼミの北限生息地で天然記念物になっている。周囲には生息していないのに、温泉があるせいなのか、この半島にだけ取り残されているらしい。
 キャンプ場近くに露天風呂もあるが、そちらはいくら少ないとはいえ人目があり、昼間つかるにはかなり勇気がいる。
 こちらは車道から遊歩道を歩いた湖畔にある屋根つきの共同湯。しかし熱い! 湯船には湯をかき混ぜるオール状の板が用意してあり「下はぬるいかも?」と書いてあるが、とてもとても、入れたものではない。
 北海道には一体旅に出てからどれくらいになるのか、車に生活用品の一切合切を積み込んで旅しているような人がいる。ここにも奈良ナンバーのボロボロのワゴンに荷物を山積みにしたオジさんがいた。その車の様子には明らかに長年の生活を感じた。
 R334、知床横断道路の羅臼町側にある熊ノ湯。
 男女別の露天風呂。素朴な脱衣所あり。地元の老人が3人ほど熱めの湯につかっていた。この位置からは「女湯」の文字しか見えないので、男湯は別の場所かと思ってしまう。
 しかし、いつも迷うのだが露天風呂というのは石鹸,シャンプーを使ってもいいのだろうか? ここには特に禁止とは書いてなかったが、使い終わった湯は隣の川にそのまま流れているようだったので石鹸,シャンプーは自重した。しかし後から来た登山者はシャンプーしていたし、脱衣所にも個人の石鹸,シャンプーが常備されていた風であった。
 うーむ、どうなのだろう?
 知床半島の南岸を走る道道87のどん詰まりの相泊温泉。
 海岸に湧き出した湯、写真の手前はすぐに海。しかし眺めはそれなりか。
 この少し手前にセセキ湯という、本当に波打ち際の岩礁に湧く無料の露天風呂がある。ツーリングマップルの「満潮になると海に沈む」の説明に楽しみにしていたが入湯は諦めた。湯加減の調整が非常に難しいとの説明があり、個人宅に申し込まないと入れない。先客がいたということもあるが、そういうことなら申し訳なくて、おいそれとは入れないというものだ。
 結局この日はカムイワッカ湯の滝に始まり、熊ノ湯、この相泊温泉と3回目の温泉。さらには、いずれの温泉でも石鹸が使えなかったので夜には標津温泉の共同湯に入り、1日で4軒の温泉をハシゴしたのであった。




カムイワッカ湯の滝 に続く





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