これが有名な網走刑務所への橋。網走川にかかる錦橋。
鉄とコンクリートのなんの変哲もない橋だが、天都山(てんとさん)の麓の網走監獄博物館では、レプリカの木橋の錦橋がかかっており、かつての受刑者と同じようにこれを渡って博物館に入ることができる。博物館は入場料大人1,100円と少々高めだが、網走駅の観光案内所で割引券がもらえるそうである。ここはお薦めらしい。(朝早すぎて開館していなかった。残念)
この橋は観光客の車両は進入禁止なので、国道沿いの市営駐車場を利用しなければならない。しかし料金の徴収は朝8時からということで係のオバさんは「写真撮ってくるだけでしょ?」といってタダにしてくれた。
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被収容者撮影厳禁の立て札。錦橋を渡ったところ。
左に見える赤煉瓦の塀の向こうが網走刑務所。
橋のこちらには刑務所しかないものと思いきや、右手には団地が幾棟も建っているのであった。出勤する刑務官がみなそちらから歩いてきていたので、職員用の住宅のようであったがどうなのか。結構な戸数がある。
ちょうど通勤通学時間帯だったので、小中高校生が網走刑務所のそばを通って学校に向かう姿が見られた。
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網走刑務所正門。フランス様式のなかなか洒落たレンガ造り。大正11年竣工。
刑務所用地内の粘土を使用し、所内の工場で焼き上げたレンガは周囲の塀を含め総数150万枚。(正門前の解説より)
右手の道路上には真ん中に職員が直立不動で立っており、この正門の鍵を開けて出勤する刑務官一人ひとりに大きな声で挨拶というかかけ声をかける。
その凛とした空気に、一介の軽薄な観光客はこれ以上正門に近づくことは憚られたのであった。
この背後には刑務所作業製品直売所があり、受刑者手作りの品が買える。◎
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正門前に立つ網走刑務所の概要。
網走刑務所は札幌−網走間の道路開削に受刑者を使うことを目的として設けられ、その工事では厳寒風雪、疾病により200名もの犠牲が出たとある。何気なく読みはじめたが、思わず襟を正したものである。
網走刑務所といえば重罪犯というイメージがあるが、それは以前の話で、現在では刑期2,3年の者が主だそうだ。◎
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網走刑務所近くの天都山からも見える能取湖(のとろこ)。その東に突き出す能取岬。隣の牧場では馬が草をはむのどかな岬。
ここに巨大なニポポが立っている。左奥の角張ったこけしのような人形がニポポである。ニポポとはアイヌの言葉で「小さな木の子供」を意味する。ニポポを身につけていると事故もなく幸せに暮らせる信じられているそうである。
そして網走市ではこのニポポを郷土の民芸品として網走刑務所で一括して制作しているということである。
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