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バルセロナに来て、始めて大聖堂を見に行った。現代的な大聖堂で、世界で最も醜い建物の一つだ。ちょうど白ワインボトルの格好をした銃眼模様の尖塔が四つある。バルセロナの大半の教会と違い、革命の間に傷つけられることはなかったが、「美的価値」ゆえに助かったのだという。尖塔の間に赤と黒のバナーを下げてはいたものの、折角機会があったのに、爆破しなかったアナキスト達は悪趣味だと思う。 "Homage to Catalonia"から |
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ガウディの傑作サグラダ・ファミリアを見た感動の記憶から、オーウェルはとんでもない「悪趣味」だと思います。 |
橋口稔訳 (ちくま学芸文庫)より
一般大衆に関するかぎり、最近みられる世論の異常な変化も、そしてスイッチのように点滅する感情も、新聞やラジオによる催眠術の結果である。
スペイン戦争の本質を正しく理解するためには、このことを忘れてはならない。戦争の残酷さ、きたならしさ、むなしさを考える時、特にこの戦争の場合の陰謀、迫害、嘘、誤解について考える時、「どっちの側もおんなじように悪い。自分は中立だ」と言いたくなる。しかし、実際には、中立なんてあり得ないし、どっちが勝ってもおんなじな戦争なんていうものはない。ほとんどつねに、一方が多少とも進歩の味方であり、他方が多少とも反動の味方である。スペイン共和国が大金持や貴族や司教や道楽者や反動軍人やなんかの憎悪を、いかにはげしくかきたてたかを見れば、事態はおのずから明らかである。本質的に、それは階級戦争であった。もしそれに勝っていたら、あらゆる国の民衆の戦線は強化されていたろう。しかし、それは敗北に終った。そして、世界中の株主たちが喜んだ。これが、真の問題点であった。それ以外のことはすべて、水面の泡にすぎなかった。
スペイン戦争の決着は、ロンドンとパリとローマとベルリンでつけられたので、いずれにせよ、スペインでつけられたのではなかった。
WAR IS PEACE
FREEDOM IS SLAVERY IGNORANCE IS STRENGTH |
戦争は平和だ
自由は屈従だ 無知は力だ |
ВОЙНА - ЭТО МИР.
СВОБОДА - ЭТО РАБСТВО. НЕЗНАНИЕ - СИЛА. |
Nineteen Eighty-Four
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