英語のビジネス書籍



aol.com


Kara Sisher著
Times Business(Random House)刊
1998年
定価$25
ISBN0-8129-2896-2

一部でサイバースペースのゴキブリと呼ばれながらも、いまやアメリカ最大のインターネットアクセスプロバイダーとなった、America Online社の歴史を描いたものです。

副題はながく、How Steve Case Beat Bill Gates,Nailed the Netheads, and Made Millions in the War of the Web、というものですが、内容をかいつまんでいえば、そういうことなのでしょう。

プロローグで、いきなりスチープ・ケースに対するビル・ゲーツの挑戦的な言葉がでてきます。おたくの20%を買うことも、全部を買うこともできる。あるいは、我が社がこの業界に参入して、おたくを潰すこともできる。1993年5月11日のことです。

今日AOLは、この業界最大手となった一方、当のゲーツは苦戦しているようです。AOLより先行していたProdigyもCompuserveをも、AOLは超えています。

会話というか、メッセージの内容が過激なセックス論議であるばあい、削除するという方針だったProdigyのユーザー数ががどんどん後退したのに対して、チャット、書き込みその他でずっと自由だったのが、AOLの成長の原因一つだというようなことが、Burn Rateに書いてありますが、かなりな程度、それは事実のようです。

創業当初のころや、大苦戦しているところは、真面目に読んだのですが、後半はとばし読み。それでも、品位法廃止への戦いには感心します。アメリカの業界も偉いのですが、政府に対して独立している雰囲気の裁判所がまた偉い。さすが宗主国はわれわれとは違い、うらやましい話。

churnつまり、新規ユーザーの乗り換え率というか、歩留まりの悪さについての記述を読んだあとで、日本の大手の幹部の「月に4万人加入しても、3万人が脱退するという」のを読んで、いずこも同じと、感じたものです。あちらAOLは1000万人を越えており、日本の大手は260万人程という数字で、人口サイズで考えても、日本における普及率まだまだなのですが。

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