6月1日(日) [惣流アスカラングレー]

 

今日から6月ね。

別に月が変わったからといってとりわけ感慨深いものじゃないけど、

でも6月と12月だけはちょっと違うのよね。

 

12月はあたしの誕生月だから当たり前でしょ。 で、6月はといえば、あのばかシンジの誕生日があるのよね。

え、なんでそんなの知ってるのかですって? 何よ、同居人の誕生日を知っているくらい、当たり前でしょ!

・・・何よ、まだなんか言う訳?

え、ミサトの誕生日を知ってるかですって? ・・・ミサトはいいのよ!

だって、ミサトぐらいになると誕生日は来ないんでしょ?

ベ、別に知らないんじゃないわよ。 もう、いいでしょ!

 

とにかくばかシンジの誕生日が6日にある訳!

昨日は何故かファーストから電話が掛かって来たけど、でもあたし、ぜ〜〜〜ったいに負けない!

え、何にですって?          ・・・・そんなの知らない!!




          6月2日(月) [葛城ミサト]

 

ふふふふ・・・・   面白い事になって来たわね・・・・

アスカがレイに宣戦布告・・・  ねぇ   (にやり)

 

私の作戦は大成功ね・・・・

やっぱりねえ、恋愛はライバルがいなくっちゃ、面白味が半減するってもんよ。 ねぇ、そう想うでしょ?

 

でも、問題はシンちゃんね。 あの子、相変わらずニブイのよね。

でもニブさもそこまでいくと、またそれが魅力になっちゃったりするもんだから・・・

アスカもレイも、大変よね。

 

おっと、アスカに聞かれると怒られるわね。

アスカったら自分では『ばかシンジ』だとか好き勝手言ってるくせに、私が言うと怒るのよね〜〜〜

全く素直じゃないんだから。

 

ま、これからが楽しみね。

 

見届けるのは保護者として、当然の義務よね♪




          6月3日(火) [洞木ヒカリ]

 

こんにちは。洞木ヒカリです。

 

最近、アスカと綾波さん、ちょっと変なの。

どう変かって言うと、上手く言えないんだけど、なにか火花が散っている感じなのよね。

 

アスカはともかく綾波さんって、以前はあまり表情を見せなかったし、

あ、今もそんなに違う訳じゃないんだけど、でもアスカを見る目と碇くんを見る目、

そしてアスカと碇くんが一緒にいるときの綾波さんの顔・・・・

 

ちょっと今までとは違うのよね。 もしかして、綾波さんも碇くんの事を・・・・?

そうよね、綾波さんだって女の子ですもの。 そういう気持ちになって当たり前よね。

 

でも、私はどうしたらいいのかしら。 私はアスカの親友だし、でも綾波さんもクラスの友達だし・・

難しいね・・・こういうのって。

 

でもアスカったら、相変わらず素直じゃないのよね。

アスカ! ちょっとは素直にならないと、綾波さんに碇くん、取られちゃうわよ!




          6月4日(水) [綾波レイ]

 

今日は水曜日。 4日。    明日は木曜日。 5日。

明後日は・・・ 金曜日・・・ 6日・・・    碇くんの誕生日・・・

 

私、今まで誕生日って良く解らなかった。 いえ、今でも良く解らない。

でも・・・  碇くんの誕生日って聞いたら、なにか変な気持ちになったの。

 

おめでとうって言ってあげたい。  碇くんに。

おめでとうって、どういうこと?   わからない。

でも・・・  碇くんに言ってあげたい。

 

碇くん、喜ぶのかな・・・・?   私は、碇くんの喜ぶ顔が見たいの・・・?

 どうして?

 

誕生日って、何か贈り物をするのね、きっと。

碇くん、なにが嬉しいのかな・・・   それとも私から貰っても、嬉しくないのかしら・・・

でも・・・・    私、何故こんな事考えているのかしら。

今までそんな事、無かったのに。  どうして?

 

明日、なにか用意しよう。




          6月5日(木) [惣流アスカラングレー]

 

くくく・・・   とうとう迫って来たわね。

何がって、アンタばかぁ!? ばかシンジの誕生日よ!

ま、そんなに気合いを入れるほどのもんじゃないんだけど、

でもあたしみたいな可愛い子に祝ってもらえるなんて、ほんとに果報者よ、シンジの奴!

 

ふふふ・・・ でもね、明日まで、内緒なの。

だって、いきなりお祝いしてあげた方が喜びも増すでしょ?

 

シンジ、どんな顔するのかしら。 ちゃんとプレゼントも用意したし♪

あ、義理よ、義理! そんなに気合いを入れて選んだ訳じゃないんだから。

 

でも、このあたしからプレゼントを貰えるなんて、世界広しと言えども、ばかシンジくらいなものね。

ふん、感謝しなさいよ!!

え、だれよ、顔が緩んでいるなんて言うのは! そんな訳無いじゃない!!

 

噂に聞くところによるとファーストもなにか企んでいるらしいけど、無駄な事は止めなさい!

この勝負、あたしの勝ちよ!!  そうよね、シンジ!!




          6月6日(金) [碇シンジ]

 

今日は実は、僕の誕生日なんだ。

今まで誕生日ってはっきり言って嫌いだった。 淋しいから。

でも、今年は楽しかった。 誕生日ってこんなに楽しい日だったんだって、僕は初めて知ったよ。

どうしてかって? だって、みんながお祝いしてくれたんだ。 アスカや綾波もだよ?

 

僕、アスカや綾波が僕の誕生日を知っていたなんて、夢にも思わなかった。

だから今日いきなり、 『パーティーやるわよ』 ってアスカに言われたときには、

思わず 『なんで?』 って聞き返しちゃった。

アスカは 『アンタばかぁ?アンタの誕生日でしょ!』 って、軽く言うんだ。

思わず言葉が出てこなかったよ。  嬉しかった。凄く。

 

綾波にも『おめでとう、碇くん』って言ってもらった。 僕、幸せなんだと思う。

 

アスカにも綾波にも、プレゼントを貰った。

綾波は、純白と空色のハンカチのセット。

ワンポイントの刺繍がとても奇麗で、『綾波らしいな』って素直に想った。

 

アスカは・・・ 何と、アップルパイを焼いて持って来た。 洞木さんのうちで作っていたらしい。

これ、ほんとに美味しかった アスカって、やればなんでも出来るんだね。凄いや。

 

そのあとに綾波から貰ったハンカチを良く見たら・・・

初めから入っている刺繍とは違った刺繍が縫い込んであるのに気付いたんだ。

生地と同じ色で縫ってあるから解りづらかったんだけど、そこには確かに『Shinji Ikari』って、縫い込んであった。

これ、綾波が自分で縫ったんだって・・・ 僕は感動した・・・

目立たないように同じ色で縫ってあるってところが、いかにも綾波らしいよね・・

 

 アスカ、綾波、本当にありがとう・・・・

 

 

【番外編:アスカ様のコメント】

 この天才アスカ様に、不可能はないのよ。 よ〜〜く味わって食べるのよ!

 この私のお菓子を食べられる男の子なんて、他にはいないんだから!

 それにしてもファースト、やるわね。 ちょっと、見くびっていたわ。

 ふ、でも次は私の圧勝よ!!

 

【番外編:レイちゃんのコメント】

 碇くんが喜んでくれた。 うれしい・・・・・ これが幸せなの? そうなのね、きっと。

 あの人も碇くんに贈り物をした。 変な感じがする。

 でも、今日は何故か嬉しい。 今日は嬉しいのね。 幸せなのね。

 今日がずっと、続けばいい・・・・




          6月7日(土) [葛城ミサト]

 

今日は7日ね。昨日は知ってのとおり、シンちゃんの誕生日だったのよね。

で、パーティーをやった訳なんだけど、シンちゃんったらマジで感動しちゃって・・・ 可愛いんだから!

 

でね、アスカとレイ、二人ともシンちゃんにプレゼントしたのよね。

アスカのアップルパイにもびっくりしたけど、レイが自分でハンカチに刺繍をしたなんて・・・・

これにはさすがの私も驚いたわ。 やっぱり恋する乙女は違うのよねぇ〜〜〜。

 

でもね、相変わらずアスカは素直じゃないのよね。ちょっとからかうと怒るしね。

だけどレイがシンちゃんの隣にくっつくと、すぐに割り込んでくるのよねぇ。

まったく、アスカったら♪

 

シンちゃんは相変わらず鈍いけど、でもこれからがホントに楽しみよね〜〜〜。 ね、リツコ。

ちゃんとカメラ、回ってるんでしょうね!




          6月8日(日) [赤木リツコ]

 

ちょっと、ミサト。あなた何を言ってるのよ。 私はそんなつもりでカメラをセットしたんじゃないのよ。

あくまでこれは、レイの情報を録るため。 決して野次馬根性じゃないのよ。 ミサトとは違うんだから。

 

なに? それじゃなんでシンジ君やアスカの様子も撮って、しかもしっかり見てるかですって?

 

・・・あなた、ちっとも解ってないわね。

いい?レイの情報を正確に録るためには、レイの周りの人間、特に、極めて近い人間の情報が必要なの。

その為なのよ、あくまでも。

 

・・・・何よ、その疑いの目は。

ミサト、そんな事言うなら今度からビデオ、回さないわよ。 それでもいいの?

そうそう、解ればいいの。 私はあくまでも資料として、カメラを回しているのよ。

そこのところ、誤解しないでね。




          6月9日(月) [鈴原トウジ]

 

なんか久し振りのような気がするのぉ。 これを書くんは。

今日からまた一週間の始まりやな。 気合入れて行くでぇ!

 

今日は一日中雨やったんや。

聞くとこによると20世紀には『四季』というもんがあって、それによると今ごろは『梅雨』という季節やったそうや。

何でも始終雨ばかり降っている季節らしいで。 わしは雨は好きやないから、今のままでもいいけどな。

暑いんも大変やが、雨はもっと嫌やな。  ジャージが濡れるしな。

 

でも中には、好きな奴もおるようや。 わしにはよう解らんが、雨を見ていると落ち着くそうや。

イインチョーの言う事はよう解らん。

 

なに? なんでそんな事、知っとるのかやて? ・・そ、そんなん、わしは知らん!!




          6月10日(火) [洞木ヒカリ]

 

今日は良いお天気でしたね。 昨日は一日雨でしたけどね。

私、雨って結構好きなんですよ。 え、知ってます? なんで?

えっ、す、鈴原がそんな事を・・・・ (赤面)

 

鈴原ったら、そんな事他の人に言うなんて・・・・

 

え、こほん。 話を元に戻しますね。

そう、今日は良いお天気だったんです。 こういう日は、お洗濯物とお布団を干したくなりますよね。

でも、お洗濯物はともかくとしてお布団干しはなかなか出来ませんよね。

家に誰もいないと・・・

仕方なく布団乾燥機を使うんですけど、でもやっぱりお日様で干したやつとは違うんですよね。

不思議ですけどね。

だから、今日みたいに良い天気の日は嬉しいんですけど、ちょっともったいない気分になるんです。

 

でも、やっぱり鈴原はお天気が嬉しいみたい。

そんな鈴原を見ていると私も嬉しくなるから、やっぱりお天気はいいな。




          6月11日(水) [相田ケンスケ]

 

こんにちは。 彼女をひろ〜〜〜く募集中の相田ケンスケです。

 

トウジ・・・ お前なんてまだずっといいじゃないか。

僕なんて、これを書くのもトウジよりもっと久し振りだし、それに彼女もいないんだぞ。

でもトウジにその事を言うと『ケンスケ、お前何言っとんねん』ってムキになるんだよな。

全く、ドイツもコイツも素直じゃないんだから。 端から見てたらミエミエだっつうの!

 

ま、でもトウジの奴はいい奴だよ。 男の僕から見てもそう思う。

イインチョーがトウジのとこを好きになったのも解るよな。

惣流は相変わらず『あんな奴の何処がいいの?』って言ってるけど、でも僕は知ってる。

惣流だって、トウジの奴を認めてるんだよ、ほんとは。 だってシンジの親友だしね。

 

僕は・・・どうなんだろう? 良く解らないけど、でも毎日は楽しいよ。

うん、これが一番大切だよな、きっと。




          6月12日(木) [碇シンジ]

 

ここのところ、良く雨が降るんだ。

ミサトさんが『まるで梅雨ね〜〜』って言ってたけど、僕たちには梅雨ってわからないよ。

 

それは置いておくとしても、こう雨ばっかり降っていると、洗濯があまり出来なくて困るよね。

アスカもミサトさんもそんなの気にしないでポンポン洗濯物出すしさ。

 

全く、自分の洗濯物くらいたまには自分でやって欲しいよ。

2人して家事全般を僕に押し付けたまんまなんだから。

 

そう思ってたら、今日は何故かアスカが夕飯の後片づけを手伝ってくれた。

僕は驚いて 『どうして?!』 って言ったら、

アスカは 『何よ、せっかく私が手伝ってあげようとしてるのに!』 ってまた怒った。

どう言っても怒るんだよな、アスカは。 顔を赤くしてさ。

でも、何かちょっといつもと違ったような・・・ 何か言いたかったみたいだけど・・・

気のせいかな?




          6月13日(金) [葛城ミサト]

 

ふふふ〜〜ん。 昨日のアスカの様子、ちょっと変だったでしょ?

あのニブイシンちゃんまで気付いてたんだから、よっぽどよね〜〜。

 

どうしてだか、知りたい?? そりゃ知りたいわよねぇ。

 

じ・つ・は・・・ このミサトさんが、アスカにコンサートのチケットをプレゼントしてあげたのよねぇ。

それもシンちゃんの好きそうなクラシックの奴を。 もちろん2枚よ。

私は別に 『シンちゃんと行ってきなさい』 なんて言わなかったんだけど、

アスカはすっかりその気になってるみたいでねぇ・・・・

 

『あ〜〜ら、アスカったら、そんなに嬉しい?』 ってからかったら、

『べ、別にばかシンジと一緒に行けるからって嬉しくなんか無いわよ』 ってムキになって言うのよね。

『あれ?私、シンちゃんと行ってきなさいなんて言わなかったけど?』 って言ったら、

今度は真っ赤になって部屋に走っていっちゃった。

全く素直じゃないんだから、アスカは。

 

でもどうやってシンちゃんを誘うのか、これは見物ね・・・・ (にやり)




          6月14日(土) [惣流アスカラングレー]

 

う〜〜ん、あたしらしくないわね、こんな事で悩むなんて。

たかがコンサートじゃないの。 別にデートって訳じゃないんだから。 軽く声を掛けちゃえばいいのよ。

そうすればシンジは、絶対に断らないんだから。

 

でも・・・ なんでだろう、どきどきするのよね。

ええい!惣流アスカラングレーともあろう者が、何をやっているのよ!!

さっさとシンジに話しちゃいなさいよ! もう明日なのよ、コンサートは!!

 

・・・シンジはお昼ご飯の用意をしている。 ミサトはいない。

今しかないわ。

 

『し、シンジッ!!』  『何、アスカ?』

『あ、明日アンタ、暇よね?』  『うん』

『コ、コンサートなんか、行ってみたりしない?』  『え、コンサート?』

『そ、クラシックの。珍しくミサトがチケットをくれたのよ』  『いいけど・・ 僕なんかと一緒でいいの?』

『いいから誘ってるんでしょ!』  『ご、ごめん』

『またぁ、そうやって謝る。まぁいいわ。それじゃ、明日ね、いいわね!』  『うん、解った』

 

・・・・ふぅ・・・ なんであたしが緊張しなくちゃいけないのよ!

 

でも、 明日か・・・・

 

なに着て行こうかな。 ふふふ、なんか楽しいわね、こういうのって!




          6月15日(日) [碇シンジ]

 

今日はアスカと一緒に、コンサートに行ったんだ。

アスカとこういう所に行くのって初めてだから、結構緊張したよ。

 

それより、どんな服を着ていったらいいのかなって、悩んじゃった。

僕、そんなに服とかって持ってないし・・・

結局、落ち着いたズボンと細めのストライプの入ったシャツにしたんだ。

僕にしては、結構気を使ったつもりなんだけど・・・

 

アスカがどんな格好をしてくるのかは、ちょっと気になってた。

そしたらアスカは、今まで見た事のない真っ赤なツーピースを着て出てきたんだ。

それがすごく新鮮で、似合っていて、僕は思わず 『アスカ・・・ すごく似合ってるね』 って言っちゃった。

そのあと自分の言った言葉に気付いて、すごく恥ずかしかったけど。

 

でも、アスカもいつもとちょっと違う感じで、『ありがと』って言っただけだった。

いつもと少し違うだけで、気持ちって違うもんだね。 今日はアスカが、すごく可愛く見えた。

 

そうそう、肝心のコンサートだけど、これもすごく良かったよ。

僕、今までコンサートなんて行った事がなかったから、感動した。ほんとに。

アスカに感謝しなくちゃね。 あ、もちろんミサトさんにもね。

 

そのあとちょっと時間があったから、辺りを少し、歩いたんだ。

目的があった訳じゃなくて、気が向いた店に入っていろいろ見たり、ゲームセンターに行ったり・・・・

 

こういうのって、なんかいいよね。 どうしてかな? アスカがいたからかな。

一人じゃ、つまんなかっただろうからね。

 

またこうして、出掛けられたらいいな。




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