八月一三日(土) 天気・晴れ ここ数日、僕は悩んでいる。それは、ハルカとのことだ。 僕は今、ハルカを裏切り続けている。ハルカのことは大好きだし、その気持ちに嘘はない。けれど、僕はハルカを裏切り続けている。 どうしたらいいのだろう。いくら考えても、まったくわからない。悪いのは全部僕で、ハルカは少しも悪くない。 こんな気持ちでいるから、ハルカも僕の態度が変なことに気付いているみたいだ。そのせいでここ暫く、ハルカとの関係がどうにもギクシャクしている。 いやだ。こんなの、もういやだ。 でも、どうしたらいい? 僕は不意に、この前読んだ『トゥルーマン・ショー』のことを思い出した。あの主人公は最後に、何一つ不自由のない作り物の世界から、本当の世界へと足を踏み出した。きっとそこには、多くの艱難辛苦が待ち構えているだろうことを知りながら。 僕は改めて思う。それは正しいことだったのかと。 壁の中の世界だって、主人公が実際に生きた世界であることは間違いない。それは演出された世界だったかもしれないけれど、その中で実際に主人公は生きていたんだ。 だったら、そこにいても良かったんじゃないだろうか。わざわざ未知の世界に足を踏み出さなくても、良かったんじゃないだろうか。 それは僕にとっても、決して無関係の話じゃない。 もし僕だったら、どうする?どうしたらいい? 僕にはわからない。 でも、このままでいいのだろうか。 そうは思えない。 (以上、浜田シンイチの日記より抜粋) 同人誌収録作品 目次 Evangelion Fan Fictions INDEX HOME PAGE |