十五.勇気


 八月六日(土) 天気・晴れ

 今日はハルカと遊園地に行った。前にハルカが友達と行った遊園地だ。
 いろいろな乗り物に乗った。ジェットコースターにカート、フライングカーペット。コーヒーカップにも乗った。
 このコーヒーカップ、ハルカは乗る前に「こんなの面白いの?」って言ってたけど、空いてたし、試しに乗ってみたんだ。でもこれが意外と面白くって、ハルカも「侮れないわね」って言ってた。
 フリーフォールにも乗ったんだけど……。これが、あまり怖くなかった。実を言うと、初めはちょっと怖かったんだ。足元に何もなくて足がブラブラしそうだから。でも、いざ乗ってみると、全然大したことなかった。ちょっと気が抜けたかな。
 でも、なんだか変な感じがした。昔、乗ったことがあったような、そんな感じ。前に良く乗ってたのかな。ハルカもそんなことを言っていた。でも、なんだか、ちょっと嫌な感じだった。

 帰り道、僕は初めて、ハルカと手を繋いだ。迷ったけど、思い切ってハルカの手を握ってみたんだ。
 凄く緊張した。でも、ハルカは嫌がらずに、僕の顔をちょっと見て、僕の手を握り返してくれた。ハルカの手はずいぶん柔らかくて、少し冷たかった。
 僕はハルカの顔を真っ直ぐに見ることは出来なかったけど、横目で見たハルカの顔は、なんだか嬉しそうに見えた。それが、僕の思い込みじゃないといいんだけど。

 明日はまた、勉強だ。


(以上、浜田シンイチの日記より抜粋)








十六.記憶の扉を叩くもの

 

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