十三.呼びかけるもの


 八月二日(火) 天気・晴れ 気分・やや悪し

 今日はちょっと気分が重い。それは、シンイチの夢の話を聞いたからだ。
 シンイチはここ暫く、誰かとケンカをしている夢をよく見るらしい。それも、殺し合いに近いほどのケンカだそうだ。ただそれだけならまだいいのだけれど、私も昨日、同じような夢を見たのだ。
 私が誰かを罵倒していた。私はそいつがたまらなくイヤで、嫌いで、憎かった。だからそいつのことを罵った。けれどそいつは、最後に私の首を絞めるのだ。
 そこで、私の夢は終わった。
 最後まで、『そいつ』が誰なのかはわからなかった。顔も見えなかった。ただ一つ言えるのは、私がそいつを殺したいほどに憎んでいること。その感情だけは、リアルに伝わってきた。
 本当に、気持ち悪い夢だった。

 でも、それ以外は極めて良好。
 勉強もはかどっている。シンイチも、私の素晴らしい教育の甲斐有って、随分出来るようになってきた。シンイチは、頭は悪くない。きっかけさえ有れば、きっといい成績を取れるようになると思う。この調子で頑張れば、私と同じ高校に行くこともできるかもしれない。私がランクを落とすのは簡単だけれど、それはきっと、シンイチに対して失礼だ。だから、シンイチの方が私と同じくらいの成績を取れるようになって欲しい。そうなって欲しいと思う。


(以上、漣ハルカの日記より抜粋)








十四.幸せってなに?

 

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