そこまで読み上げると、リツコは端末の画面から面を上げた。 「以上が、レイからのメールです」 張りつめた空気が一気に崩れ、あちこちから溜息が聞こえる。 「そうか……」 「綾波がね……」 「レイちゃんも、色々あったのね」 「会ってみたかったな」 「うん、オレもだ」 そんな中、ひとり赤木リツコだけは端末に向かっていた。キーを叩く音がリズミカルに続く。 「先輩、なにやっているんですか?」 不思議そうな顔で覗き込むのは伊吹マヤ。 「ちょっとね」 そう言いながらも、画面上は下から上へと次々に文字が流れて行く。 「まさか……ここからアクセスしているんですか?」 「ええ、そうよ」 さも当たり前のように、リツコは答える。 そのまま更に数分ばかりキーを叩いていただろうか。突然、リツコは端末を切って立ち上がった。 「皆さん」 「皆さんに、お知らせすることがあります」 |