彼女は、彼の姿を探した。さっきまでそこにいたはずの少年を。
彼女の眼にうつるものは、現実なのか。現なのか。それとも幻なのか。
朦朧としていた意識が、次第にはっきりしてくる。
自分のすがたが、みえてくる。
しろいて。
ほそいて。
チューブがつながれているて。
血の気のないて。
しにんのようなて。
なに、これ。
これがわたし。
これがわたし。
これがわたし?
これがわたしなの。
なに、これ。
ちからが、はいらない。
てが、うごかない。
あしも、うごかない。
くびも、まわらない。
これは、なに。
これがわたし。
これがわたし。
これがわたし。
これがわたしなの。
わたし、しぬのかしら。
しぬのかしら。
しぬのかしら。
しぬってなに。
いなくなること。
ママはしんじゃった。
わたしをのこして。
わたしはずっとひとりでいきてきた。
しぬってなに。
しぬってなに。
しぬってなに。
しんだらどうなるの。
しんだら、ママにあえるのかな。
そうなら、しんでもいいかもね。
わたしには、もういきているいみがないから。
わたしのいきているかちも、もうないから。
わたしは、天国にいけるのかしら。
きっとママは、天国にいる。
てんごくってどんなところかな。
てんごくってなに。
テンゴクッテナニ。
いや。
イヤ。イヤ。
いや。いや。いや。いや
イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。
いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや
イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。
イヤァァァァァァァァァァア!!!!!!!!!!!!
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはしにたくない。
わたしはまだ、しにたくない!!!!!!!!!!!!
左手を握る。
うごく。
左腕を動かす。
うごく。
右手に差し込まれているチューブを、引き抜く。
いたい。
痛みが走る。
その痛みさえ、今はここちよくかんじる。
痛み、それは生きている証拠。まだわたしが生きている証拠。
アスカはアスカで、いいのよ
ママの声が,聞こえる!!
バタバタと医者や看護婦が血相を変えて駆け寄ってくる。
わたしは体を起こす。
彼らにわたしはいう。輝きの戻った瞳で。
惣流アスカラングレー、14歳。
エヴァンゲリオン弐号機専属操縦者。
不幸な生い立ちをもった、セカンドチルドレン。
ふたたび
たつ
「未完」
あとがき
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