彼と彼女と私と  第四話 あなたは かのじょを あいしますか


あなたは かのじょを あいしますか






彼女は、彼の姿を探した。さっきまでそこにいたはずの少年を。

彼女の眼にうつるものは、現実なのか。現なのか。それとも幻なのか。













  朦朧としていた意識が、次第にはっきりしてくる。






  自分のすがたが、みえてくる。










     しろいて。

     ほそいて。

     チューブがつながれているて。

     血の気のないて。

     しにんのようなて。











     なに、これ。

     これがわたし。

     これがわたし。

     これがわたし?

        これがわたしなの。









     なに、これ。

     ちからが、はいらない。

     てが、うごかない。

     あしも、うごかない。

     くびも、まわらない。









        これは、なに。

        これがわたし。

        これがわたし。

        これがわたし。

        これがわたしなの。











     わたし、しぬのかしら。

     しぬのかしら。

     しぬのかしら。








       しぬってなに。




       いなくなること。










     ママはしんじゃった。

     わたしをのこして。

     わたしはずっとひとりでいきてきた。









        しぬってなに。

        しぬってなに。

        しぬってなに。

        しんだらどうなるの。









           しんだら、ママにあえるのかな。

           そうなら、しんでもいいかもね。




           わたしには、もういきているいみがないから。

           わたしのいきているかちも、もうないから。








        わたしは、天国にいけるのかしら。

        きっとママは、天国にいる。

        てんごくってどんなところかな。












           てんごくってなに。



           テンゴクッテナニ。


















 シヌッテナニ。
































いや。







イヤ。イヤ。






いや。いや。いや。いや





イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。




いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや。いや



イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。イヤ。


イヤァァァァァァァァァァア!!!!!!!!!!!!

















わたしはしにたくない。

  わたしはしにたくない。

    わたしはしにたくない。

      わたしはしにたくない。

        わたしはしにたくない。

          わたしはしにたくない。

            わたしはしにたくない。

              わたしはしにたくない。

                わたしはしにたくない。

                  わたしはしにたくない。

                    わたしはしにたくない。

                      わたしはしにたくない。

                        わたしはしにたくない。

                          わたしはしにたくない。

                            わたしはしにたくない。

                              わたしはしにたくない。

                                わたしはしにたくない。

                                  わたしはしにたくない。

                                    わたしはしにたくない。

                                      わたしはしにたくない。



わたしはまだ、しにたくない!!!!!!!!!!!!





























  左手を握る。


     うごく。


  左腕を動かす。


     うごく。


  右手に差し込まれているチューブを、引き抜く。


     いたい。


     痛みが走る。


  その痛みさえ、今はここちよくかんじる。


  痛み、それは生きている証拠。まだわたしが生きている証拠。





















そう、それでいいのよ

アスカはアスカで、いいのよ




























           ママの声が,聞こえる!!































バタバタと医者や看護婦が血相を変えて駆け寄ってくる。



  わたしは体を起こす。



  彼らにわたしはいう。輝きの戻った瞳で。














「わたしも、エヴァにのります」















惣流アスカラングレー、14歳。

エヴァンゲリオン弐号機専属操縦者。

不幸な生い立ちをもった、セカンドチルドレン。























いま







ふたたび










たつ




































「未完」









































あとがき





















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