サーキット攻略法…

 …といきなり、たいそうなタイトルを掲げてしまいましたが、エラそうにドラテクを伝授する類のものではありません。なにせ私自身まだまだ修行の身、素人レベルでちょっと速く走れる部類の人間ですから、あくまでも初心者から中級者向けのアドバイスです。どこをどう走っていいか悩んだり迷ったりしてる人には参考になるはず。
 一応、ワタシのRX−7(
FD3S:4型RSノーマル)でのドライビングを前提としてますが、細かいところを除いては、どんなクルマでも基本的には変わらないと思います。

1.MINEサーキット



 全長3.331kmのこのコースは、大まかには直線とタイトコーナーで構成されています。3速で進入する1コーナーを除いて、基本的には低速コーナーのオンパレードです。したがって、インフィールドでの連続する小さいコーナーをいかにトラクションをしっかりかけながら立ち上がるかが重要になります。一方で、最終コーナーから2コーナーまでの間はほとんどがアクセルベタ踏みの全開区間となり、馬力がモノをいうところでもあります。よって、絶対的なタイムを持ち出すよりも、同じような仕様のクルマ同士でタイム比較していく方がよいでしょう。(どこのサーキットでもそうなんですが…)参考までに、どノーマルのロードスターでもそこそこ速い人なら2分は切れるそうです。ただし、全開→急減速の繰り返しはブレーキへの負担が大きく、思う存分楽しむためにはしっかりとメンテナンスしておく必要があります。
 また、このコースは全体的に路面のミューが低いことでも有名です。コーナーの内側の埃っぽい部分を通過するときや、雨などによって路面コンディションが変化したときはいっそうの注意が必要になります。


メインストレート  最終コーナー出口からしばらくは登り区間となる約900mのメインストレートですが、途中でクランク状にいやらしく曲がっています。(300R+400R) 単独走行であれば直線的に最短距離を走ってもよいのですが、周囲に走行車両がいる場合は自分のいる側をキープするように、コースに沿ったライントレースをした方が安全でしょう。

 4速全開でコントロールタワー付近に達し、5速に入れるか悩むところですが、
4速のままでいくとブレーキングに入る少し手前で7500rpmでのレブ警告ブザーが鳴ってしまうので、私はそれを嫌って5速に入れます。熱的に苦しい時はなおさらで、コントロールタワーの手前で「ショートシフト」してます。
 MINEでは、このストレートエンドが最高速ポイントになりますが、スピードは200キロを僅かに超えるくらいです。
1コーナー  ここは40Rと80Rの複合コーナーです。入口よりも出口の方がカーブが緩やかなので、他コースの1コーナーと比べてそれほど大きく減速する必要はありません。少々進入スピードを間違えても、アワてなければ何とかなります(笑)。

 まずはストレートエンドの
150m看板付近でブレーキング開始。最初のうち怖ければ200mあたりでアクセルオフしてもいいでしょう。ちなみにブレーキングの甘い私でも、ここ一発のときは120mまではイキます。
 
(5)−4−3とシフトダウンし、最小限のステア操作でスムーズにクルマをイン側に導きましょう。比較的早く全開状態に持ち込めるはずです。ただし、ここの出口付近もいやらしくクランク状に曲がっているので周囲の他車への注意が必要です。
2コーナー  スピードのノッたバックストレートから一転して鋭角に曲がり込む25Rのタイトな2コーナーは、MINEでもっともHARDなブレーキングが必要なコーナーです。とくに、コースインした直後はPADが冷えたままで制動力が不十分なことが多いので気を付けてください。また、勢い余ってサンドトラップに埋まっているクルマが見えたら、十分マージンを取って早めにブレーキングするようにしましょう。ストップした車両に気を奪われてしまうと、そのまま自分も同じ所に突っ込んでしまいますから。

 外側の縁石の始まりを目安にしてブレーキング開始、しっかりスピードを落としましょう。
4−3−2とシフトダウン、角度が大きく曲がり込むため、じっくり待って出口が見えてからアクセルオン。
3コーナー  35Rの右コーナーは下り坂のためトリッキー、かつ、出口周辺のエスケープゾーンも狭く、私のもっとも苦手とするコーナーです。(幾多のスピン経験あり)

 ここは進入の仕方ひとつでアンダーにもオーバーにもなるのですが、やはりトラクションをしっかりかけながら
ニュートラルで抜けるのが一番良いようです。2コーナーを抜けたあとの僅かな直線で3速にシフトアップしておくかどうか迷うところですが、私の場合、2速で進入するとコーナー出口で吹け切ってしまい、脱出直後にシフトアップ操作を強いられるので、3速で進入するようにしています。 ただ、一瞬アクセル抜いてから慎重に入っているので、自分自身まだまだ攻略の余地があります。
1ヘアピン  ヘアピンとはいいながら20Rと35Rの複合コーナーで、ややダラダラとした印象があります。普通、コーナーではアウト−イン−アウトですが、ここではアウト−イン−(イン)−アウトという感じで一瞬だけ「待ち」が要ります。

 3コーナーを抜けたら早めにコースの右側に寄り、ヘアピンへのアプローチをしやすくします。意外にスピードが出ているので無理な突っ込みは禁物です。
(4)−3−2と落としたら、イン側に他車がいないことをチェックしながらブレーキングとともにすっと早めにイン側に入っていきましょう。車高の低いクルマはよくここでタイヤがインナーフェンダーを擦ります。気になる人はライン取りで回避しましょう。
 ちなみにここの立ち上がりは、ノーマルタンクのFD3Sでは燃欠が発生しやすいポイントです。私の場合はハーフ以下だと必ず起きます。燃欠状態はアペックスシールにダメージを与え易いので注意してください。
 1ヘアピン後の緩やかな右カーブ(150R)は3速全開でいけます。
2ヘアピン  ここは20Rというタイトな右ヘアピンで、その後半は急な登りとなっています。

 このヘアピンへのアプローチは直前の左30Rコーナーのクリアの仕方で決まってきます。
3−2とシフトダウンして進入する左30Rコーナーの通過中から、へアピンをしっかりと意識しておくと良いでしょう。ここをアウトいっぱいまで膨らんで立ち上がってしまうと、ヘアピン進入はとても苦しくなります。あくまでもセットで考えてください。
 とてもタイトなヘアピンゆえ舵角も自然と大きくなります。立ち上がりでの不用意なアクセルオンはオーバーステアを誘発するので注意してください。
シケイン  レストハウスを右に見ながら急な坂を3速で駆け上がると、右20R、左35Rのシケインがやってきます。ここで一番大事なのは2つ目の左をいかに速く抜けるかに集中すること。一つ目の右を攻め込む必要は全くありません。

 坂を登り切った辺りでブレーキングに入りますが、じつはここもシフトに迷うところです。通常、シケインの進入とくれば2速で入るものですが、ファイナル4.3のFD3Sだとシケイン途中で吹け切ってしまうので、私は
3速のまま、ブレーキングに神経を集中して進入します。一つ目の立ち上がりでアウトにふくらまないようにスピードコントロールをして、スパッと切り返して次の左を全開で抜けたいところです。
 ただし、ここはドライの場合、一つ目で挙動を乱してコースアウトするクルマが多く、しばしば砂利がコース上にバラまかれます。グリップが低下すると切り返しで不安定になりやすいので、コースコンディションの変化にはくれぐれも注意してください。
最終コーナー  ここは20Rと25Rのハッキリとした複合コーナーです。

 コーナーへのアプローチが下り坂でコースがやや左に曲がっているので、ブレーキングではやや態勢を乱しやすくなります。これが嫌いな人はシケイン脱出後の下り坂のライン取りを工夫してアプローチを直線的にしてみるのも良いでしょう。
 じつは私はここの一つ目を
3速で入ります。とても珍しいシフトパターンなのですが、これは2速までシフトダウンすると思いっきりレブ警告ブザーを鳴らしてしまうからなんです。現に、ここを毎周2速で抜けていると油温の上がりはイッキに激しくなります。
 しかし、複合コーナーとして捉えた場合、速くクリアするためには
2速進入が正解です。その方がライン取りに集中しやすいし、1つ目と2つ目の間で一瞬加速をするときのレスポンスが違います。3速だと回転が上がらないし、また、あらためて2速へシフトダウンする必要もあるので、25Rへの進入操作がとても忙しくなってしまいます。私もタイムを狙っていくときは必ず2速でいきます(笑)。
 20Rはそれほどインにベッタリ付かずにわりとスピードをのせてクリアします。最後の25Rはブレーキングとアクセルでクルマの向きをさっさと変えてきっちり全開で立ち上がれるようにしましょう。ここの脱出速度はメインストレートでの車速の伸びに直結するので失敗しないように!