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■EQUIPMENTS■ |
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●シールドビームヘッドランプ 【T1100/T1500】(1959年) 東洋工業が4輪トラック・ロンパー(1958年)で初採用したシールドビームタイプのヘッドランプが、Tシリーズにも初期から導入されました。もちろん3輪トラックでは業界初採用となりました。 このシールドビームは、背面の反射鏡と前面ガラスの材質を熱膨張係数の小さい硬いガラスとしたうえで両者を溶着した密閉型構造を採り、その内部に高純度の高圧アルゴンガスおよびフィラメントを封入しています。従来の組立型/半密閉型のヘッドランプと比較して、次のような利点があるとされています。 |
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@電球の内容積が大きいため局部的な内部温度上昇が少なく、明るさの変化がない |
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当時の自動車の安全ガラスの代表的なものとしては、合わせガラスと強化ガラスの2種類を挙げることができますが、東洋工業はバーハンドル3輪の時代から前面に合わせガラスを採用してきました。その構造は2枚の板ガラスの間に接着力が強くて強靭な合成樹脂(ポリビニールプチラール)の中間膜を挟み込んだもので、焼入れ処理をしただけの強化ガラスに比べると高コストとなりますが、破損時に破片が粉々になって飛散しない、曲面ガラス形状でも製造がし易い、などの利点があります。Tシリーズ誕生直前のHBR型/MAR型からはさらに、視野が広く歪みのないみがき曲げ合わせガラスを採用しました。 当時のカタログでは「水を満たしたビール瓶(1.3kg)を相対速度56km/hで衝突させても完全に危害が防止できる」と、その強靭さが紹介されています。 |
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