■CHASSIS■



●両効きオイルダンパー
  
【T1100/T1500】(1959年)

 東洋工業が待望の丸ハンドル車・HBR型で3輪トラック初となるリアオイルダンパーを導入したのは1957年のことですが、Tシリーズにもこのアイテムが受け継がれています。
 このオイルダンパーは車体の前後方向に寝かせて配置され、リンクを介して後輪の上下の動きに対して両効きとなり、本来の減衰機能を最大限に発揮させるものとなっています。
 旧来のラバースプリング式の減衰装置と比較すると、悪路走行時のロールや振動の吸収性が大きく向上し、また、空荷走行の際の車体振動も抑制するなど、走行安定性の向上に一役買っています。
 



全浮動式リアアクスル
 
 【T2000】(1962年)

 
1959年にT1500でスタートした2トン積みモデルは、1962年のT2000移行を機にリアアクスル周りの耐久性向上が図られました。リアアクスル径の拡大、ホイールベアリングの容量アップ等と並んで、アクスルの支持方式が大型トラック並みの全浮動式に変更されました。
 その構造は、アクスルチューブの両端部外側にベアリング2個を配置し、ドライブシャフトフランジと共締めにした車輪をベアリングケースのフランジに取り付けるもので、これにより、リアアクスルは荷重による曲げモーメントから解放され、トルク伝達のみを行なうことになります。

 なおT1500は、上記のベアリングを1個のみとした、
4分の3浮動式を採っています。