<旧車シリーズ 713>


DATSUN TRUCK (221)


 
1955年1月、日産はオールプレス製の近代的キャビンを持つ本格乗用車・ダットサン110型を登場させた。ダットサン120型はこのラダーフレームのシャシーに荷箱を載せた小型トラックである。先代のダットサントラックは戦前型モデルを改良したレベルだったため、この120型でスタイルは大幅に進化した。セダンと同じ水冷直列4気筒860ccサイドバルブのB型エンジン(最高出力25ps)を搭載し、最大積載量は750kgであった。
 その後、1957年にセダンが988ccOHVのC型エンジン(同34ps)を得てダットサン210型に進化すると、トラックにも220型シリーズが加わった。最大積載量はエンジン出力の向上に伴い850kg積にアップし、翌1958年には1トン積みとしたG220型も追加された。211/G211型は、グリル変更等の小改良を受けたダットサン211型のトラック版にあたり、ホイールベースは300mm延長され、荷台長は6尺となった。また、122型以来フェンダー上にあったウィンカーがヘッドライト下へ移動した。
 220シリーズはその後、222/223型を経て、初代ブルーバードの登場とともに320シリーズにバトンタッチする。


 
ダットサンの220型シリーズは、年代の古さのわりに意外と各地の自動車博物館で見ることができます。これは優れた工業製品として大量に市場に出回っていたことの証明でしょう。
 それにしても、初代120型トラックの登場からおよそ半世紀が経とうとしている今、まさか当時のナンバー付の実動車に会えるとは思いもよりませんでした。私にとって、新幹線を利用して遥々出掛けて行った2004年のNYMでの大きな大きな収穫のひとつがこのクルマでした。


推定年式:1959
撮影時期:2004年1月
撮影場所:東京都江東区青梅 ニューイヤーミーティング会場にて