<旧車シリーズ 711>


DATSUN SUNNY (B20)


 
1966年、ニッサンは1000ccクラスの新しい2ドアセダン、ダットサンサニーを登場させた。いわゆる大衆車市場において、僅か半年後に登場するトヨタのカローラと長年にわたり激しい販売競争を繰り広げることになる主力車種である。
 サニーにはライバルのファミリアやコンパーノと同じく、派生の商用モデルとして、ワゴン風のスタイリッシュなバンと、ピックアップトラックが用意された。1967年に発売されたトラックは最大積載量500kgで、ダットサンのトラックのボトムラインを担うことになったが、750kg〜1トン積みのダットサン1300トラックに対し、サニートラックの車両価格は20万円近くも安価な36.5万円であり、軽自動車ユーザーをも取り込める位置付けであった。最小回転半径は僅か4.0m、そして荷台床面の地上高は595mmとクラス随一の数値であり、利便性に優れていた。
 搭載されるエンジンはA10型・水冷4気筒988ccOHVで、最高出力56ps/最大トルク7.7kgmのスペックはセダン系と同一である。トランスミッションも共通で、オールシンクロの前進3段。コラムシフトを採用するが乗車定員は2名である。


 
長い長いサニトラの歴史の中で元祖といえるのがこのモデルです。軽自動車を持たない日産にとっては、サニーは最軽量クラスのビジネストラックとして欠かせない存在であり、初代が持つプレーンで親しみ易いイメージは、その後もずっと踏襲されていきました。
 当時のピックアップでは、現在とは違い、白以外のボディ色が一般的でしたが、写真のシブい薄緑色のサニーは、近所で見掛ける機会が多かったので強く印象に残っています。そのためか、私はこのクルマの白ボディを想像するのが難しいです。


推定年式:1967
撮影時期:1982年5月
撮影場所:山口県徳山市一番町にて