<旧車シリーズ 630>


DAIHATSU V150 (SV15T)


 1960年代の後半、ダイハツの小型キャブオーバートラックのラインナップは、ガソリン系ではFA型・1490ccエンジンを搭載する1トン積みのV100シリーズと、FB型・1861ccエンジンを搭載する2トン積みのV200シリーズ、ディーゼル系ではDG型・2530ccエンジンを搭載するD200シリーズが存在していた。
 V150はこれらの中間にあたる1.5トン積み車として最後発で誕生したモデルである。エンジンは水冷直列4気筒1490ccのFA型で、V100と同じユニットである。最高出力68ps/最大トルク11.5kgmのスペック、2〜4速シンクロメッシュの4速トランスミッションもV100と共通だったが、キャビンは3人乗りのシングルキャブに加えて、6人乗りのダブルキャブ(1.25トン積み)が独自に用意されていた。1969年にはエンジンの最高出力を70psにアップするとともに外観を小変更、ヘッドランプが4灯化され、フロントグリルのデザインも変更した。
 その後、1970年10月にフルモデルチェンジを受け、提携先のトヨタダイナのキャビンをベースとしたニューブランド、デルタシリーズへバトンタッチし、Vシリーズ/Dシリーズは姿を消した。


 
FA型/FB型/DG型というエンジンラインナップは、当時のダイハツオート3輪と全く同じであり、ダイハツの商用車が3輪から4輪へ移行していった過程をよく表しています。
 それにしても、キャビンの基本デザインは古くても、2灯式を4灯式へ変更しただけで随分イメージが変わるものですね。デルタに移行する直前のこの4灯モデルは生産期間も短いので、貴重な存在といえるでしょう。


推定年式:1970
撮影時期:1982年8月
撮影場所:山口県下松市生野屋にて