<旧車シリーズ 620>


ISUZU ELF (TLD22A)


 
1968年、いすゞの看板トラックであるエルフは、初代登場から9年経過したところで初のフルモデルチェンジを受ける。キャビンデザインを一新し、ドアを後開きに変更。斬新な左右分割グリルと4灯式ヘッドランプを組み合わせた。この2代目エルフからメインカラーとしてブルが採用され、のちにエルフの代表的カラーとして定着していく。
 エンジンは先代同様、ガソリン/ディーゼル双方をラインナップしたが、やはり主力はディーゼル車で、標準車に搭載された排気量2207ccのC221型エンジンは、予熱燃焼室式を渦流室式に変更したもので、最高出力は旧型のC220型から3psを上乗せして65psとなった。また、ワイドキャブ車には新たにC240型・2369ccディーゼルエンジン(74ps)が搭載された。4速トランスミッションはついにオールシンクロ化された。
 最大積載量は2トン積みが中心で、標準キャブには低床式、高床式、高床ダブルタイヤ、幅広キャブには高床ロング、高床ロングダブルタイヤが組み合わされ、幅広い用途に対応している。ガソリン車には3トン積みも用意された。


 
分割グリル+4灯ヘッドランプの新マスクは、三代目にもそのイメージが引き継がれ、15年以上にもわたり、エルフを特徴付けるアイテムとなりました。もちろん、ブルーのキャビンやディーゼルエンジンもエルフのキーワードとして忘れることはできません。
 そんな由緒ある顔付きですが、この超初期型グリルに見られるグレーの縁取りはいかにも純朴な感じがして、精悍というよりもファニーな表情に見えますね。


推定年式:1968
撮影時期:1981年1月
撮影場所:山口県徳山市松保町にて