<旧車シリーズ 617>


DATSUN CABSTAR (A320)


 
1968年に登場したダットサンキャブスターは、ニッサンの1トン積みトラックの新ブランドとなるが、その型式名A320が示すように、実質は1958年から続いたダットサン・キャブライト(A20〜A120〜A220)の後継車にあたる。
 キャブライトが代々引き継いだセミボンネットのスタイルは、このキャブスターから完全なキャブオーバー型へと変貌を遂げた。この結果、全長を130mm短くしながら荷台長を150mmも延長することに成功、90mm短縮したホイールベースなどにより、最小回転半径も5.6mから4.8mへ大きく改善した。エンジンはA220のD11型・1138ccエンジンから、A320ではD12型・1198ccエンジン(最高出力56ps)となり、最高出力で3ps、最大トルクで0.7kgmの改善をみせた。
 1970年にはグリル小変更とともに、ダットサントラックのJ型・1299ccエンジン(最高出力62ps)を搭載した「キャブスター1300」となる。さらに1971年には、J15型・1483cc(同77ps)エンジン搭載車も加わった。


 
キャブスターは、このクラスとしては長めの2380mmのホイールベースを確保することで、バランスが良く安定感のあるスタイルを得ています。またこのモデルでは、二代目キャブライト(A120型)以来となるダブルキャブ車が復活していますが、こちらのスタイルもまとまりが良くて秀逸です。積載能力もかつての5人乗り・500kg積から6人乗り・600kg積へ大きく向上していますが、残念ながらその実車には未だにお目にかかったことがありません。

推定年式:1969
撮影時期:1982年2月
撮影場所:山口県新南陽市政所にて