<旧車シリーズ 420>


NISSAN SKYLINE VAN (VC10S)



 
プリンスを代表するスポーティーセダンのスカイラインは、1966年の日産自動車との吸収合併を経て1968年7月にフルモデルチェンジを受け、ニッサン・スカイラインとして発売された。「愛のスカイライン」と呼ばれた三代目(C10系)の誕生である。
 C10系はシャープなプレスラインで構成される彫刻的なスタイリングが特徴で、ボディサイズも一回り大きくなった。フロントサスペンションは新たにマクファーソンストラット式を採用している。エンジンはプリンス時代のG15型・直列4気筒1483ccOHCエンジン(88ps)を踏襲したが、バンでは先代のG1型・1484ccエンジン(70ps)からの換装となったため、一気に18psもの最高出力アップとなった。この結果、最大積載量は400kgと変わらないものの、最高速度は先代の135km/hから150km/hへ大幅に向上した。また、100mmもホイールベースが延長されたが、最小回転半径は5.0mでほぼ同等に収められている。グレードはデラックスとスタンダードの2種類。
 翌1969年には、100psを発生する1800ccエンジン搭載モデル(VPC10型)が追加された。
 

 
箱スカのデザイン上の特徴のひとつであるリアフェンダーのサーフィンラインは、写真のようにバンのボディにもしっかりと刻まれていますが、伸びやかな2BOXのスタイルと相俟って、こちらの方がより印象の強いものに感じるほどです。
 1500ccエンジンを搭載したスカイラインはこの三代目が最後で、次の四代目からは1800cc/2000ccが中心になります。1957年に誕生した初代プリンススカイラインが1500ccクラスだったことを考えると、その後の日産への吸収合併劇も含めて、時代の流れを感させる排気量変遷ですね。


推定年式:1968
撮影時期:1980年10月
撮影場所:山口県徳山市青山町にて