<旧車シリーズ 110>


DAIHATSU CONSORTE (EP30D)


 ダイハツ初の小型乗用車コンパーノ・ベルリーナの後継モデルとして、1969年に登場したのがコンソルテ・ベルリーナである。業務提携先のトヨタのパブリカ(KP30型)とボディ&シャシーを共用した姉妹車だが、エンジンはコンパーノで実績のある自社製の958ccOHVエンジン(FE型)を搭載した。最高出力は58ps、最高速度は140km/hをマークし、2K型エンジンを搭載するパブリカの1000ccモデルと同等のスペックを誇った。
 翌1970年のマイナーチェンジでは、排ガス対策を実施し、3速以下をクロスミッション化したほか、フロントグリル周りのデザインを変更してより個性的な顔付きとなった。この時にベルリーナのサブネームが取れ、コンソルテというシンプルな名称となった。同時に追加されたスーパーデラックスはウッド調のインパネやフロントディスクブレーキを採用しており、装備面ではパブリカのSLやハイデラックスに相当するモデルであった。
 1971年にはついにカローラの3K型エンジンを搭載するS1200が追加された。


 お洒落なイタリアン・デザインをまとったコンパーノ・ベルリーナほどの個性的な佇まいはありませんが、このコンソルテには、パブリカをベースとした割にはデザインやメカニズムにダイハツの色が残されています。なかでも印象的なのはこのフロントマスクで、100m先からでもそれと判る特徴的な顔付きは、初期型よりもデザインの区別化をエスカレートさせています。
 このマスクだけでなく、現代のストーリア&デュエットに至る両社の協力関係の架け橋となったモデルとしても、コンソルテは記憶に残るクルマですね。


推定年式:1970
撮影時期:1982年1月
撮影場所:山口県徳山市築港町にて