<旧車シリーズ 101>


DATSUN BLUEBIRD 1200 Std (P311)


 戦後ダットサンの代表的小型車であった110/210シリーズは、1959年に本格的なモデルチェンジを受けて310型となり、この時から「ブルーバード」という新名称が与えられた。
 ボディは210型より一回り大きく、今回から新設計の乗用車用フレームが用意された。搭載エンジンは直列4気筒OHVの1000ccエンジン(最高出力34HP)に、1200ccエンジン(同43HP)を加えた2種類。フロントサスペンションは210時代のリーフリジッドからダブルウィッシュボーン/コイルの独立懸架へと進化し、乗心地を大幅に改善している。ボディは4ドアセダンが基本で、途中エステートワゴン(WP310)や女性向け仕様車ファンシーデラックス(DP311L)を追加しながら、311型(1960年)〜312型(1961年)と進化を続け、1963年に次の410型にバトンタッチした。
 310/311型の特徴のひとつだった「柿の種」と呼ばれる小ぶりのテールランプは、312型以降では立派なコンビネーションランプに姿を変えた。


 この個体はフルシンクロ採用を誇示した「full」バッジ゙装着前であるだけでも十分に稀少なのですが、それを上回るインパクトを与えるのがこのナンバープレート。分類番号の「5」だけで陸運局名が一切ありません。どうやら1962年前後までの東京地方にこのタイプが存在したようで、当時の邦画などによく登場してきます。通常の「練馬 5」や「広 5」だとシングルナンバーと呼ぶのですが、この場合は一体何と表現すべきでしょうか?
 私が旧車の写真撮影を始めた'80年代初めの頃には、ごく稀に街中でこの310ブルを見かけたものですが、今やあの510ブルでさえ、まず路上でお目にかかることはありません。・・・自分も歳をとったなと感じてしまう今日この頃です。


推定年式:1960
撮影時期:1989年8月
撮影場所:東京都世田谷区 スズキ城南(クラシックカー専門店)にて