'93
MAZDA LANTIS Type-R
93年の秋、エチュードの急逝を受け後継マシンを探していた私が、新発売直後のランティスクーペをチョイスしたのは、翌年からこのクルマでマツダスピードがツーリングカーレースに出場するという情報をGETしたからです。レースに出場する→市販パーツが出る、とふんでの決断だったわけですが、おかげでエチュード時代ほどパーツ難に悩まされることはありませんでした。 16インチの50偏平タイヤを標準装着するこの「タイプR」は、FFのくせにホントによく曲がるクルマで、そのハンドリングの良さはすでに、モディファイを重ねたマイ・エチュードを遥かに凌駕していました。最初の走行会でクラッチが滑ったのでマツダスピードの強化品を入れ、ついでにスタビも強化しましたが、その後しばらくは私自身がサーキット走行から離れてしまい、とくに追加モディファイはせず、そのままで走っていました。 そんな私が本格的にサーキットに戻ってきたのは96年の春。気が付けばコース上でのバトル相手もかつてのロードスターからRX−7(FC)に格上げされていました。 まずはマツダスピードの可変ダンパーと強化スプリングでよりダイレクトなハンドリングをGetしたまでは良かったのですが、この頃からブレーキング時のリアの不安定さに悩まされ始めました。コーナーのターンインまで意図的にブレーキを残すとどうもオーバーステアがキツイ。そのため、リアの減衰力を最弱にしたり、リアブレーキPADをストリート向けの効きの弱いものにしたりと対策を打ちましたが、結局は直らず、ドライビングスタイルを変えて対応せざるを得ませんでした。もともとV6エンジン搭載でフロントヘビーなクルマなため、ある程度は仕方のないことだと諦めました。 しかしながら、この年初めて敢行した「鈴鹿遠征」を十分こころゆくまで堪能して帰れたのも、この素晴らしいハンドリングマシンがあったからにほかなりません。とくに、鈴鹿名物のテクニカルなS字コーナーをアクセルのオン/オフだけでヒョイヒョイと楽しくクリアすることができ、初めてRX−7(FD)をパスしてしまったほどです。同じように、初めて走ったTIサーキット英田でも、ストレート以外ではFCやFDと楽しく走ることができました。 装着パーツでとくに印象に残ったのが、96年夏に導入したマツダスピードのフロントスポイラーでした。フロントの接地感の向上は目を見張るものがあり、それだけでMINEサーキットでのラップタイムが1秒以上も短縮されたほどです(ドライバーへの安心感効果が大きい)。同時に、高速道路走行時にも絶大な安定感を得ることができました。 また、各地のサーキットで同じランティスオーナーの参加者と情報交換をしたり親睦を深めたりできたことも、エチュード時代にはなかった新たな経験のひとつでした。 その年の暮れにサイドスポイラーも装着し、あとはマツダスピード・Aスペック名物のT型リアウィングを付けるのみ、という段階まで来た97年の新春早々、私はとある強い思いから、気に入っていたこのマシンを元気なまま急に手放すこととなったのです。 |
マツダランティス2000Type-R (97年最終仕様) | |
TYRE | DUNLOP FORMULA W-10 (205/50R16) |
WHEEL | MAZDASPEED MS-01f (7J-16) |
SHOCK ABSORBER | MAZDASPEED A-spec |
SPRING | MAZDASPEED B-spec(Eibach) |
STABILIZER | MAZDASPEED |
BRAKE PAD (Fr) | Project-μ HC |
BRAKE PAD (Rr) | Project-μ NS |
CLUTCH | MAZDASPEED |
SEAT | RECARO SR2 |
FRONT SPOILER | MAZDASPEED A-spec |
MUFFLER | MAZDASPEED |
ENGINE PLUG | CHAMPION 2430 |
PLUG CODE | NAGAI ULTRA |
Lantis主要諸元 |
ENGINE : KF(2000ccV6) |
MAX POWER : 170ps/7000rpm |
MAX TORQUE : 18.4kgm/5500rpm |
DIMENSION : 4230x1695x1355mm |
WHEELBASE : 2605mm |