日記帳(ニック帳)


プレイバックPART 84

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10/31
新松戸で乗り込んだ武蔵野線は市川塩浜で京葉線に合流した。今日はハロウィンである。舞浜駅で乗り込んできたディズニー.リゾート帰りの乗客たちが抱えるお土産のビニール袋にはオレンジ色のカボチャのイラストが。 ここを通るときにはいつも感じさせる事ではあるが「みんな楽しそうだ」車内が一気に華やいだ雰囲気になった列車は間もなく東京駅の地下ホームに到着した。リュックを抱えて立ち上がり外に出て歩き出す。東京駅の京葉線ホームは地下と言うよりも地底と呼んだほうがよさそうなほど、深いところにあって山の手線まで行くのには何度もエスカレーターを乗り継ぎながら、長〜〜〜〜〜〜〜〜い通路を延々と歩かねばならない。途中でいくつも売店があるし、大阪の地下街で例えると堂島から梅田まで移動するくらいの感覚だ。ひとつの駅構内での乗り換えにこれだけの距離は理不尽である。僕は「新宿渋谷方面行き」山の手線ホームへの階段を上って、ようやく外の景色を見る事が出来た。午後十時三十分、今夜は泊まりなのだ。

10/26
「スネーク.フライト」。
快作とはこういう映画の事を言うのである。この盛り上がりはちょっと味わえない。公式ホームページで奏でられるワーグナーの旋律には笑わせられるが、侮ってはならない。いろんな意味で実にヘビーな作品である。タフなFBI捜査官、善人の目撃者、美人のスチュワーデス、嫌味な金持ち、プロフェッショナルに徹したパイロット、セックス好きなカップル、無力な母親と赤子に幼い兄弟、冷酷なマフィア。話しのツボの押さえ方が絶妙なのだ。B級って素晴らしい!
(飛行機で毒蛇が放し飼い状態になるパニック映画)に出る事、が「神に誓ってもいいが、僕が仕事を引き受けた理由だからね」なので、映画のタイトルを「Snakes on a Plane」にしろと、譲歩せずに闘ったという主演俳優のコメントは秀逸。

10/24
昨夜の大雨のせいだろうか。大量の落葉である。雲行きが悪くて薄暗い空模様は今日も変わらない。風が強く、急激に気温が下がった。部屋を出た後で、デニムのシャツ一枚しか着てこなかった事を後悔した。だが、バスの発車時間ギリギリである。今から引き返せない。300円のビニール傘を片手に停留所までの道を急いだ。時刻は午前十一時二十分、昼休み前のひとときである。これから市バスに乗り、総武線、武蔵野線、常磐線を乗り継いで約一時間、電車に揺られなければならない。給料日前で金がない僕は、目的地に到着したとき、昼飯前の空腹の慰めに仕事場前のミニストップでコーヒー飲料と肉マンを買い食いして230円を浪費するか否か、葛藤していた。あそこの豚角煮マンは中心部にサイコロ型の大きな肉の固まりがあって非常に食い甲斐があるのだが145円とやや割高である。わずか20円の差だが、125円で購入できる肉マン。しかし、20円の出費をケチるのであれば、元から買い食いなどしなければいいわけで、そもそも、肉マンコーヒー飲料代230円を節約すれば、本番の昼食時にはツーランク上の弁当が買えるのだ。大問題である。どうしよう、どうしよう、乗り込んだバスの中で、講談社文庫の「マークスの山(上)」を上の空で読みながら悩みまくった。駅に着き、各駅停車のホームへの階段を登った。三鷹行きの電車を待ちながら強い風にさらされて、また「寒い」と思い、ワンダ特製、赤いジャージの上着を着てくるべきだったと、東京湾方面の空を眺めた。曇っている。低気圧が迫っている。雨が降るだろう。電車が来た。ピンポンピンポンと電子音を鳴らしながら扉が開く。右足から乗り込み、隅っこの席に座って手すりにビニール傘をひっかけ、再び文庫本のページを開く。山梨県捜査一課の佐野警部が北岳山麓の土砂崩れ現場で発見された白骨死体を検分している場面である。

10/22
(前日の夜の話)カップ酒一杯と缶ビール(500ml)6本、胡瓜の浅漬けに海鮮丼と味噌煮込みうどん。イオンの地下食品売り場で買い込んだ大量の食料を自動車の後部座席に積み込んで、自宅アパートの駐車場に戻って来たのが午後8時過ぎ。その足で台所に直行し、アルミパックのうどんを土鍋に移し、カップ酒を信楽焼の酒器に注いで、コンロに掛けて火をつけた。包丁で胡瓜をきざんでお椀の中に放り込み、テレビのスイッチを入れ、缶ビールのプルトップを起こして、海鮮丼の蓋を開け、薄口醤油をたらしてから、練りワサビを箸でつまみ、刺身と卵と胡瓜のまぜご飯を堪能する。CS放送で9時からのスターチャンネル、番組はニコール.キッドマンの「奥様は魔女」。うどんが煮えるのを待ちながら、海鮮丼を食う、食う、食う。ビールを飲む。
今夜は映画を観ながら食うぞー、飲むぞー!
で、今朝。二日酔いで、吐きました。

10/21
自宅近くの小学校の体育館前。綻びかけているススキの穂。「パビリオン山椒魚」というタイトルに惹かれてオダギリ.ジョー主演の映画を観て来た。1867年のパリ万博にも出展されたという伝説の山椒魚「キンジロー」(150才)の背骨の骨折跡の撮影を隠密に依頼された天才レントゲン技師に香椎由宇の女子高生がからむというストーリーである。いったいぜんたい、どんな話しなのか興味がわくではないか。結果を言えば、実にくだらない作品なのであったが、こんな駄作につきあって休日を過ごすというのも、またをかし。レントゲン車の運転席で鍋料理をつつきながら語り合うオダギリ.ジョーと高田純次が楽しそうではあった。デ.パルマ監督の新作「ブラック.ダリア」は気になるのだが、今度の休みの愉しみにおいておこう。ちなみに彼の作品の中で僕が一番好きなのはトラボルタの主演した「ミッドナイト.クロス」である。



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