.日記帳


プレイバックPART 34
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8/31
夕べ衛星放送で西ドイツの映画「Uボート」を見ていたのだが、不覚にも途中で眠ってしまった。第二次世界大戦におけるドイツの潜水艦の話なのだが、狭く息苦しい艦内の様子がよく画かれていて秀逸だった。
学生時代、夏休みに住之江の倉庫でバイトしていたときのこと、冷房のない中で段ボールの山に囲まれて「暑っつう〜」とふーふー息を吐いている俺に、いっしょに働いていた爺さんが言った台詞。
「潜水艦はもっと暑い」
爺さんはそれ以上は言わず、戦争の話にはならなかったが。それでも実感がこもっていたから本当なのだろうな。たしかに旧日本軍の潜水艦には冷房なんて設備はなかったろう。潜水艦の中が暑いなんて発想は乗った事のない人間には出てこないだろうし。
俺はあのとき、爺さんが少し好きになった。

8/27
盆、帰省の新幹線の中では高村薫の「晴子情歌」を読んでいた。以前からどちらかと言えば難解な文章を書く作家だと思っていたのだが、今回の新作は旧仮名遣いの文章で昭和初期の東北地方の風土が描かれており、私には辞書がなくては読めない漢字まであって、すらすらと頁を捲るようにはいかない小説である。また、「シートン動物記」だの「ジャン.クリストフ」だの小中学校の夏休み課題図書に出てくるような小説の話が出てくる一方で、スルメイカのリンコトウチオン期の稚仔を解剖することを夢想する主人公の描写があったりして。
スルメイカのリンコトウチオン期の稚仔ってどんな形をした生物なんだ?カエルの解剖だったら容易に想像できるけど、スルメイカのリンコトウチオン期の稚仔の解剖を頭の中に画き込む事の出来るのは、はたしてこの小説の読者の何パーセントなんだろうか?

8/24
盆を境に涼しくなっちゃいましたねー。なんだか面白くないですねー。あの猛暑の日々よ、九月になるまでにもう一度。だって八月なんだから。
午後一時五分。母が送ってきた梅干しを食いながらチューハイ青リンゴを飲んでいる。母のこしらえた梅干しを食うのは学生時代以来だろうか。大粒でくすんだ赤色をしていてシソの葉が一緒に漬けてあり、強烈にすっぱい。いま三つ目の粒を口に含んだところだが、その味は前に食べていたものと同じだ。

8/13
盆休みに突入。あまりにも天気が良すぎて外に出る気になれず、朝からずーっと家にいるわけですが、蝉の声のうるさいことうるさいこと。室内の空気を入れ換えるために総ての窓を全開にしています。畳と簾と風鈴と蝉の声。冷えたペットボトルのお茶ということで。ニッポンの夏ですな。

8/12
プレステ2「ぼくのなつやすみ2」二周目。ゲームの中では八月二十二日。
ぼくのキンオニクワガタ「光のジョー」がついにタケシにいちゃんの秘密兵器「グレートオオキング」を倒す!敵は100勝のオオクワガタだった。う〜ん長い道のりだった。あとは「秘密の秘密兵器」を倒せばトッテン山への道が開けるのである。
負けが決まったとき「うぉ〜、グレートオオキング、グレートオオキング〜〜〜〜ウウウ!」と、お決まりの台詞で頭を抱えるタケシにいちゃんは実に愛らしい。

8/10
午後八時二十分。そば屋でかき揚げそばを食っていると店内のAMラジオから、ナヨナヨした野口五郎の声と演歌っぽい伴奏の絶妙なマッチングで独特の雰囲気を残す名曲「私鉄沿線」(以前も書いた)が、流れてきた(流れてきた、という表現がピッタリなんです)。
こんどのはライブ(ライブと表現するのが相応しいかどうかは疑問だが)バージョンだ。最近の音源なのだろうか?彼(野口五郎)がこの唄に深い愛着をもっていて、何十年と唄い込んできたのが(ひしひしと)伝わってくる。50才を過ぎた(もう60才かな)ポール.マッカートニーが思い入れたっぷりに「イエスタデイ」を演じる姿がダブらないでもない。
しけた蕎麦屋でかき揚げ蕎麦を食いながら「私鉄沿線」を聞いて感慨にふけっている俺はおっさんだな。

8/8
猛暑。総武線に乗って都内に向かう途中、幕張付近で富士山を見た。本当だよ。あの形は富士山以外にありえないでしょう。全体的に群青色に見えたから山頂にはたぶん雪はなかっただろう。ここ数日の天候は快晴で、まったく素晴らしいですな(ここの表紙の壁紙みたいでしょ)。雲一つなく晴れ上がり強烈に照りつけるお天道様。蝉の声。吹き出す汗。冷房の効いた電車。夏じゃ!
暦の上では今日は立秋である。

8/1
今日の九十九里。遊泳適の青い旗。今年三度目にしてようやく夏らしい光景の海辺。


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