9/14(SAT)
薄曇り。朝食の後、ホテル周辺をぶらぶら歩く。2ブロックほどでお城Castelloがあり、この先が旧市街になる。今日はアルベロベッロまで小旅行。車をチャーターしてアルベロベッロに一泊して明日はマテーラを巡ってバーリに帰って来るというコース。アルベロベッロに直接入ってマテーラにも泊まって・・・というコースも考えたのだが、スーツケースを引っ張って毎日移動するのも気が重く、交通の便もあまりよくなさそうなのでこういうルートにした。チャーター料金は2名で48,000円である。朝9時にお迎えがやってきてスーツケースはホテルに預けて出発。車はあまりきれいではないが一応メルセデスである。郊外に出るとオリーブ、レモン、小麦畑の田園風景がどこまでも続く。1時間ほど走ったところでドライバーが「Castellana grotteに寄らないか?」と言う。聞いたことのないところだが、ガイドブックを見るとなにやらガイド付きで洞窟を巡るらしい。アルベロベッロへの道の途中にあるので遠回りにはならないし、90分ほどで見られる、とってもbella、と盛んに勧めるので勧めに従うことにする。
公園のようなところに到着して、チケットを買うために行列に並ぶが一向に前に進まない。ドライバーが係員と何やら話していると思ったら、「早く入れ」、え?入場料は?と思いながらもそのまま入場。洞窟ツアーがちょうど出発したところだったようだ。グループは20人ほどでお年寄りから子供まで、みんなイタリア人観光客のようである。ただひたすらに鍾乳洞の中を歩いて行くのだが、動物の姿形に似ているものなどがあり、それぞれ名前がついているようだが、当然ガイドはイタリア語だけ。空気はひんやりしていて、一年中15°Cだと言う。どんどん下って行くということは帰りには上らなければならないんだ、と思うと気が重くなってくる。数年前にもナポリで洞窟ツアーに参加して同じような目にあったっけ。どうしてイタリアまで来て穴ばかり潜んなきゃならないんだ、そう言えば青の洞窟ってのもあったな、イタリア人は洞窟が好きなのかな、などとぶつぶつ考えているうちにツアーのハイライト?白の洞窟Caverna Biancaに到着した。確かにこれはちょっとした見物だった。ここは地下70mもあるそうだ。入り口からは3km、往復6kmの地下の坂道は結構きつかった。
大聖堂Cattedrale遠景
ホテル・ボストン
ごく普通のホテル
カステラーナ・グロッテ入り口
白の洞窟
ほんとはフラッシュ使用禁止だ
というような道草をくってアルベロベッロに到着したのはお昼過ぎ。ここに着く前からトゥルッリtrulliは道端に点在していたのだが、まとめて全部トゥルッリの風景はやっぱり何とも言えない。今日の宿、トゥルッリデアTrullideaは旧市街の中心マルテッロッタ広場largo MartellottaからモンティMonti地区の坂を少し登ったところ、と言ってもここは事務所というかフロントだけで、各自の部屋は空き家になったトゥルッロを客室に改装したもので、このモンティ地区とアイア・ピッコラAia Piccola地区に散在するのだ。つまり一晩だけトゥルッロの住人になれるわけである。わたしたちがあてがわれたのは事務所の隣の坂を登ったところにあった。バスルームと小さなキッチンがついてちょうどワンルームマンションのような間取りである。
このモンティ地区はみやげもの屋やリストランテが並び賑やか、一方広場をへだてたアイア・ピッコラ地区は静かな住宅街のたたずまいである。
昼食は近くのリストランテ(ここもトゥルッロ)の屋上テラス、トゥルッリのとんがり屋根が並ぶ風景を眺めながら(ワインも飲んでふたりで約40エウロ)。
我が家(のような気になる)トゥルッロの前まで帰ると坂上のトゥルッロの入り口のカーテンの陰からおばあちゃんがおいでおいでをしている。行ってみると「中に入れ、家を見せてやる」と言う。うちも同じ町内なんだけどと思いながら入ると、テーブルとキッチンがあり、間仕切りの奥にはベッド、我が家とほぼ同じ作りのワンルーム、「夫が亡くなり一人暮らしなので、なにがしかのお金が欲しい」と言う。つまり観光客に家の中を見せては小遣い稼ぎをしているのであった。たくましいばあちゃん。
夕食はこれまたご近所のトゥルッロリストランテTrullo Antico。夜のトゥルッリ集落は幻想的で、特にこのリストランテは美しかったのだが、お味もサービスも今ひとつ(ここもふたり分で約40エウロ)。
夕食後、マルテッロッタ広場からアイア・ピッコラ方面に少し坂を登ったポポロ広場Piazza del popoloまで散歩。ここは普通の商店街に囲まれた小さな広場で地元住民が集う場所のようである。バールの外で遊んでいた小学生たちが「Corea!」と声を掛けてきた。「No. Sono giaponese」とお決まりの返事をすると、「なんだ、ジャッポーネか。コレアは嫌いなんだ」「なんで? ああ、カルチョか?」「そうだ、そうだ、アーン(アンジョンファンのこと)はだいっ嫌いだ」とのこと。ワールドカップの誤審問題は韓伊関係の未来に暗い影を投げかけていたのであった(ウソ)。
アルベロベッロはどこでも枝になる
マルテロッテ広場
アイア・ピッコラ地区は
静かなたたずまい
これもアイア・ピッコラ地区
モンティ地区はカラフルな商店が並ぶ
どこまでもトゥルッリ
夜も幻想的だ
これはリストランテTrullo Antico
自宅(一晩だけだけど)前の坂道
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